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旅行に行くと各地で芭蕉の[奥の細道]の句碑に出会います。
四月の高山祭の時も倶利伽羅峠近くの小矢部川SPで発見。
「義仲の寝覚めの山か 月悲し」


下は数年前に鳥海山から象潟を通った時聞いた芭蕉の句。
芭蕉の時代と全く違う景色がショックで覚えていました。

「象潟(きさがた)や 雨に西施が ねぶの花」

俳句も漢詩も好きですが門外漢の悲しさで充分は分かりません。
たまたまサンケイ新聞の「詩境悠々」でよく分かる解説を
して下さっていたので嬉しくなってUPしました。
二つの作品を繋ぐ「西施」や「西湖」の画と一緒に。

最初が蘇軾の漢詩なので『はて…?』と疑問にお思いでしょうが…
白雪梅さんの詳しい解説は一番下にあります。
グラデーションが好きなので解説文を入れるのに
この枠を使いたかったのです。



「飲湖上初晴後雨」蘇軾(一〇三六~一一〇一)

  [水光瀲エン晴方好]
  [山色空濛雨亦奇]
  [欲把西湖比西子]
  [淡粧濃抹総相宜]

湖のさざ波は陽の光できらきらと輝き、
晴れた景色は素晴らしい。

一方、山の色が霧雨に包まれて、
ぼんやりと煙っている雨の時も
また格別に美しい。

西湖を西施にたとえて見れば、
晴れは艶やかな厚化粧、雨は淡い薄化粧、
ともに風情があって綺麗だ!

   (白雪梅の詩境悠遊より 解説・白雪梅)



蘇軾の詩と芭蕉の句中の西施と合歓の花
中国四大美人
土産物「西施」図

芭蕉「合歓の花」

芍薬「西施粉」

中国杭州西湖の景色二景


「象潟(きさがた)や 雨に西施が ねぶの花」
                  ……「奥の細道」より

朦朧とした霧雨の中、手前のしっとりと濡れた
合歓の花と遠くでぼんやりと煙る小島と木々、
まさしく中国杭州の西湖を髣髴(ほうふつ)と
させる風景です。


{ 松尾芭蕉と河合曽良が訪れた頃の象潟は、
松島のごとく小さな島が点在していたそうですが
その後の地盤の隆起で陸続きになってしまい
現在は全く違う風景(田の中に小さい松林が点在)
数年前に訪れ吃驚しました。  …yukariko付記 }


芭蕉が影響を受けたといわれる詩は
11世紀の詩人蘇軾が三十代半ば頃
杭州の副知事の在任中に書いた作品です。

西施は春秋時代に杭州生まれ、
呉王夫佐に愛された中国四大美女の一人。
西湖の美しい姿を絶世の美女に喩(たと)えて
巧みに描きました。

西湖を讃える多くの文人墨客の数々の詩の
中でもその魅力を一躍天下に知らしめたのは
やはり蘇軾のこの名作です。

西湖と象潟、海を隔った中国と日本の名勝、
詩人たちは古の傾国の美女を思い浮かべ、
共に西施になぞらえる所が面白いです。

西湖は何度も遊びましたが、
象潟も一度訪れて見たいです。

    ( ラジオパーソナリティ 白雪梅 )


本文及び詩文解釈はサンケイ夕刊・
「詩境悠遊…白・雪梅」より抜粋・掲載
させて頂きました。

合歓の花の写真は「みともり花のページ」、
「四大美人図」は土産物画、「西湖」の写真は
西湖紹介HPよりお借りしました。


上の書き込みを増やせる枠タグは「mikanママのタグをつかって」様よりお借りしました。



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