はっと気がついた時、雪は床で眠っていた。いつの間にか転がり落ちてしまったらしい。

起き上がろうとするも、身体中ギシギシだった。
うぅ‥こ‥腰が‥

何とかベッドの上に這い上がると、携帯を手探りで探し当て画面を見る。
それじゃ おやすみ^^

知らない内に先輩からそんなメールが届いていた。
雪は彼と自分の日課である電話も忘れて、眠りこけていたのだ‥。

寝ぼけ眼でヨダレを垂らしながら、雪は大あくびをした。
窓の外はすでに明るかったが、疲労が蓄積した身体は鉛のように重かった。

週末の始まりの朝、雪は外へ出て一人街を歩いた。
しかしその表情は暗く、床で眠ってしまったせいで身体が痛い‥。

重い身体を引き摺るようにして歩きながら、
雪はぼんやりと彼のことを考えていた。
あの後もいつも通り先輩と連絡を取り合ったけど、
結局私が聞きたい言葉は聞けなかった。話す内容はいつも近況や世間話で‥。

連絡といっても、メールや電話だけだ。その電話すら、長い時間は出来なかった。
あまり顔を合わせることも出来ないし、ほんの数日前のことなのにまるで夢の中のことみたいだ‥。

雪の頭の中に、先日彼が浮かべた笑顔が思い浮かんだ。
小さなことでもくだらないことでも、何でも話して下さいと言った時、彼は微笑んで頷いたのに‥。
けれどそれが本当に彼の為であるかということを考えた時、雪はこう思った。
私に悩みを打ち明けろと、最後まで彼に強要したくはない

”悩みを打ち明けること”が彼の望むことかどうか、雪には分かりかねた。
そして彼が”悩みを持っている”かどうかも、雪には分からなかった。
どう見ても先輩は会社や家の事などで私よりも忙しいだろうに、そんな素振りを全く見せない。
それに引き換え私は清水香織のことなんかにむずがったりして‥

脳裏に、雪が愚痴を言った時の先輩の様子が思い浮かんだ。
大変?すごく大変?どのくらい大変? ス、スイマセン‥

なんか比較すると情けなくなるというか‥。相談事自体が煩わしく感じているように見えたり‥。
人の許容量というものは、当然人によって違う。
自分がキャパオーバーだと思う容量が、彼にとってはそうでないことも然りだ。

それでも所々で、彼がストレスを感じている場面を目にしたのだ。だから雪は手を差し伸べたのだが‥。
先輩も全て話して下さいよ‥。そういうの、全部‥

けれど彼はまだ彼女の手を掴もうとせず、ただニコニコと微笑みを浮かべているだけなのだ。
彼の心の扉はほんの少ししか開いていなくて、中に居る彼に手が届かない‥。

彼は忙しく、週末だというのに会うことが出来ない。更に試験期間中で、雪も暇では無かった。
ふとした寂しさが、雪の心を襲う‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<ふとした寂しさ>でした。
区切り上かなり短い記事になってしまいすいません~~。
しかし雪ちゃん‥もうちょっと踏み込んでもいいんじゃないかな~~。
多分先輩は雪ちゃんの言葉の額面通りしか受け取ってない気がしますよ‥?
本当このカップルは見ていてもどかしいですね。思わず仲介したくなります(笑)
次回は<ピアノの前で>です。
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起き上がろうとするも、身体中ギシギシだった。
うぅ‥こ‥腰が‥

何とかベッドの上に這い上がると、携帯を手探りで探し当て画面を見る。
それじゃ おやすみ^^

知らない内に先輩からそんなメールが届いていた。
雪は彼と自分の日課である電話も忘れて、眠りこけていたのだ‥。

寝ぼけ眼でヨダレを垂らしながら、雪は大あくびをした。
窓の外はすでに明るかったが、疲労が蓄積した身体は鉛のように重かった。

週末の始まりの朝、雪は外へ出て一人街を歩いた。
しかしその表情は暗く、床で眠ってしまったせいで身体が痛い‥。

重い身体を引き摺るようにして歩きながら、
雪はぼんやりと彼のことを考えていた。
あの後もいつも通り先輩と連絡を取り合ったけど、
結局私が聞きたい言葉は聞けなかった。話す内容はいつも近況や世間話で‥。

連絡といっても、メールや電話だけだ。その電話すら、長い時間は出来なかった。
あまり顔を合わせることも出来ないし、ほんの数日前のことなのにまるで夢の中のことみたいだ‥。

雪の頭の中に、先日彼が浮かべた笑顔が思い浮かんだ。
小さなことでもくだらないことでも、何でも話して下さいと言った時、彼は微笑んで頷いたのに‥。
けれどそれが本当に彼の為であるかということを考えた時、雪はこう思った。
私に悩みを打ち明けろと、最後まで彼に強要したくはない

”悩みを打ち明けること”が彼の望むことかどうか、雪には分かりかねた。
そして彼が”悩みを持っている”かどうかも、雪には分からなかった。
どう見ても先輩は会社や家の事などで私よりも忙しいだろうに、そんな素振りを全く見せない。
それに引き換え私は清水香織のことなんかにむずがったりして‥

脳裏に、雪が愚痴を言った時の先輩の様子が思い浮かんだ。
大変?すごく大変?どのくらい大変? ス、スイマセン‥

なんか比較すると情けなくなるというか‥。相談事自体が煩わしく感じているように見えたり‥。
人の許容量というものは、当然人によって違う。
自分がキャパオーバーだと思う容量が、彼にとってはそうでないことも然りだ。

それでも所々で、彼がストレスを感じている場面を目にしたのだ。だから雪は手を差し伸べたのだが‥。
先輩も全て話して下さいよ‥。そういうの、全部‥

けれど彼はまだ彼女の手を掴もうとせず、ただニコニコと微笑みを浮かべているだけなのだ。
彼の心の扉はほんの少ししか開いていなくて、中に居る彼に手が届かない‥。

彼は忙しく、週末だというのに会うことが出来ない。更に試験期間中で、雪も暇では無かった。
ふとした寂しさが、雪の心を襲う‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<ふとした寂しさ>でした。
区切り上かなり短い記事になってしまいすいません~~。
しかし雪ちゃん‥もうちょっと踏み込んでもいいんじゃないかな~~。
多分先輩は雪ちゃんの言葉の額面通りしか受け取ってない気がしますよ‥?
本当このカップルは見ていてもどかしいですね。思わず仲介したくなります(笑)
次回は<ピアノの前で>です。
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