昔、こんなことがあった。
とある席で、数人の50代男性の会話に加わったときのことである。
その中の1人が「蓼食う虫も好き好き」という言葉を引き合いに出し、周囲の人間にその意味を問い始めた。
いや。正確にいうと、「この言葉の意味はみんな知っているだろうけれども、ではなぜ、蓼食う、と言う表現を用いているのか知っているか?」という質問を投げかけたというべきで、問いかけられたオジサンたちは口々に
「いや~、なんでだろう?」「わからないな」と、答えたのである。
すると.....
質問を投げかけた本人は、鼻の穴を膨らませて得意げに説明をし始めた。
「蓼っていうのはさ~、植物なんだよ。それでね、好んでそればかりを食べる虫がいるから蓼食う虫も好き好き。わかる?」
一気にまくし立てる。
そして、それを聞いていた私にも「知ってた?」と話をふってきた。
私は、相手が質問をしてきているのだから、自分の知っている範疇で真剣に答えようと思い、「ああ、知ってます。蓼って確かすご~く苦いんですよね。だからそういう言葉ができたとかって...」と言った。少なくとも、私は何かでそう読んだ記憶があったのでそう答えた、のだが.....。
それを聞くやいなや、相手は憮然とした表情を隠そうともせず、
「はん?そんなの知らないけどさ!」と、ソッポを向いたのである。
女を長くやっていて、大人になると分かってくることに
<一部の男性は女性が自分より何かを知っていたり出来たりすることが好きではない>
ということがある。
だから女性の側が話題を広げようとして、会話をより楽しいものにしようとしてさらに掘り下げると、途端に不機嫌になる。
アクティブに行動して、男性の領分とされている遊びに手を出せば、「本当は楽しみ方もわかっていないくせに」と馬鹿にする。
悲しいことではあるが、女性として生きていて、そういう目に遭った事がない人などほとんどいないだろう。
実際私の友人など、ある一定年齢以上の男性と話をするときは何かを知っていても知らないふりをし、常に聞かされたことには感心するふりをしているという。
「だって、まともに答たって機嫌損ねるだけだから面倒臭いもん。ええ!?そうなんですか~?すごーい!って言ってるのが無難」なんだそうである。
ちなみに今私が思うに、あのとき「蓼食う」について投げかけられたオジサンたちも、そんなのちゃんと知っていたのかもしれない。渡る世間の付き合いとして、彼を立てるために知らないふりをしていただけ、なのかもしれない。
こんな話をして、さぞかし男性の方は気分が悪いだろう。
そんな男ばかりではないと、声を大にして仰りたいことだろう。
もちろん、私がここでしているのは一部の男性の話であるから、怒らずにいて欲しいのだが.....。
それでも男性が、無垢で無知な弱い女を好むのではないかという幻想は、日本の文化にも大きな影響を及ぼしているような気がする。
だから、バリバリ働き、向上心と行動力に溢れ、大股で街中を闊歩し、人生を楽しむ男前な女達が増える一方で、何を見ても「可愛い~」「わかんない」と、上目使いの女も一向に減る兆しがないのだ。
しかし。
おのおのがた、油断召さるな。
あなたの前で「ええ~!?そうなの~?」「すご~い!」と、言っている女性も、実は心の中で何を考えているのかはわからない。
なぜなら。「蓼食う虫」の一件以来、時折私もその手を使っているからだ(笑)
どうやら私には。
男性を立ててうまく乗せる、って高等技術を習得するまで、まだまだ修行が足りないようだ。
とある席で、数人の50代男性の会話に加わったときのことである。
その中の1人が「蓼食う虫も好き好き」という言葉を引き合いに出し、周囲の人間にその意味を問い始めた。
いや。正確にいうと、「この言葉の意味はみんな知っているだろうけれども、ではなぜ、蓼食う、と言う表現を用いているのか知っているか?」という質問を投げかけたというべきで、問いかけられたオジサンたちは口々に
「いや~、なんでだろう?」「わからないな」と、答えたのである。
すると.....
質問を投げかけた本人は、鼻の穴を膨らませて得意げに説明をし始めた。
「蓼っていうのはさ~、植物なんだよ。それでね、好んでそればかりを食べる虫がいるから蓼食う虫も好き好き。わかる?」
一気にまくし立てる。
そして、それを聞いていた私にも「知ってた?」と話をふってきた。
私は、相手が質問をしてきているのだから、自分の知っている範疇で真剣に答えようと思い、「ああ、知ってます。蓼って確かすご~く苦いんですよね。だからそういう言葉ができたとかって...」と言った。少なくとも、私は何かでそう読んだ記憶があったのでそう答えた、のだが.....。
それを聞くやいなや、相手は憮然とした表情を隠そうともせず、
「はん?そんなの知らないけどさ!」と、ソッポを向いたのである。
女を長くやっていて、大人になると分かってくることに
<一部の男性は女性が自分より何かを知っていたり出来たりすることが好きではない>
ということがある。
だから女性の側が話題を広げようとして、会話をより楽しいものにしようとしてさらに掘り下げると、途端に不機嫌になる。
アクティブに行動して、男性の領分とされている遊びに手を出せば、「本当は楽しみ方もわかっていないくせに」と馬鹿にする。
悲しいことではあるが、女性として生きていて、そういう目に遭った事がない人などほとんどいないだろう。
実際私の友人など、ある一定年齢以上の男性と話をするときは何かを知っていても知らないふりをし、常に聞かされたことには感心するふりをしているという。
「だって、まともに答たって機嫌損ねるだけだから面倒臭いもん。ええ!?そうなんですか~?すごーい!って言ってるのが無難」なんだそうである。
ちなみに今私が思うに、あのとき「蓼食う」について投げかけられたオジサンたちも、そんなのちゃんと知っていたのかもしれない。渡る世間の付き合いとして、彼を立てるために知らないふりをしていただけ、なのかもしれない。
こんな話をして、さぞかし男性の方は気分が悪いだろう。
そんな男ばかりではないと、声を大にして仰りたいことだろう。
もちろん、私がここでしているのは一部の男性の話であるから、怒らずにいて欲しいのだが.....。
それでも男性が、無垢で無知な弱い女を好むのではないかという幻想は、日本の文化にも大きな影響を及ぼしているような気がする。
だから、バリバリ働き、向上心と行動力に溢れ、大股で街中を闊歩し、人生を楽しむ男前な女達が増える一方で、何を見ても「可愛い~」「わかんない」と、上目使いの女も一向に減る兆しがないのだ。
しかし。
おのおのがた、油断召さるな。
あなたの前で「ええ~!?そうなの~?」「すご~い!」と、言っている女性も、実は心の中で何を考えているのかはわからない。
なぜなら。「蓼食う虫」の一件以来、時折私もその手を使っているからだ(笑)
どうやら私には。
男性を立ててうまく乗せる、って高等技術を習得するまで、まだまだ修行が足りないようだ。