さてさて。
先日その計画を発表し、一番寺で納経帳を買い求め、同時に始まりました、
旧小机領三十三所観音霊場巡り。
(その詳細と一番寺についてはコチラ4/22の日記参照)
一番【泉谷寺】<開創大永三年>(1523年)から.....
旧小机領三十三所巡礼の旅は始まります。
往古より山野を越えて巡礼する人には、道中安全のため、
必ず観音様が同行して下さるそうで、それを『同行二人』というそうです。
その後、巡礼二人は、ゆっくりではありますが、着々と各お寺を周っておりまして、
我が家の自転車は現在、いつにもましての大活躍をしております(笑)
三十三所あるうちの、一番寺【泉谷寺】から、少し間をおいて、
現在七番【本覚寺】まで、我が家の巡礼は進行中。
立派な仁王様がいらっしゃる、二番【三念寺】へ。
二番【三念寺】<開創承安年中>(1171~1174年)
ここは我が家から一番近いお寺で、毎春ここに咲く桜はそれは見事なもの!
写真左手にある綺麗な観音堂は建てたばかりのものだそうで、
こちらの観音様は、童形に身を現じて農耕馬の鼻をとり、
労農夫を助けたことから、俗称で『鼻取観音』と呼ばれるそうです。
買い求めた納経帳についてきたガイドブック、および付録の地図とにらめっこし、
ときに、「あっちだ!」「いや、こっちだ!」「あ、間違ってた(爆)」等、
私とゴンザにはお約束の、大騒ぎ&珍道中が展開中でございます。
二番【三念寺】
私はこういうところに掘ってある人の名前を見るのがすごく好き。
今はもうこの世にいないこの人がいつごろの人だったのか.....
どんな暮らしをしていたのか、想像するのが好きなのです。
我々が目指すのは、各お寺の周囲に立てられた、目印ともなる赤い旗。
自転車で疾走し、小さな路地に入り込むと、チラホラと、
同じように三十三所を巡る方々を追い越したり、すれ違ったりします。
三番【最勝寺】<開創年代不明>(古くは慶安年間1648~1651の墓所有)
こちらの観音様は本堂にお祀りされており.....
お寺の周辺の小高い丘なった地区では、それを富士山に見立てて登山をする
『富士講』が古来より続いているとか。
三番【最勝寺】境内にはなぜかこのお方の姿も....(笑)
なんでも、この三十三所巡り。
どの順番で周ってもいいらしいんですが、その分布は川崎、横浜、町田と広く、
電車バスを乗り継ぎ周る人。
我々のように自転車で巡る人。
そのスタイルは様々のようです。
我々二人の自転車も大活躍!
...が、途中ゴンザの自転車のギアの調子が悪くなり、
現在は旧ゴンザ号にバトンタッチ。
四番【専称寺】<開創天正年間>(1573~1591年)
巡礼が目指すのはこの赤い旗。
このお寺の観音様は、鎌倉時代の名工『運慶』の作と伝えられているそうで(!)
朱色の観音堂は子年観音のご開帳ごとに塗り直されるのだとか。
また、巡礼者の年齢層も幅広く、
実際我々も一人で周っているらしい若い男性を見かけましたし、
女性お一人で、という方もいらっしゃるようです。
四番【専称寺】を出ようとすると、こんな可愛い猫が。
が、まだ子猫の面影を残すこの子のおなかはパンパンで、
それはもうすぐ出産が間近であることを物語っていました。
どうか、どうか、この子と生まれてくる仔猫の歩む道に、
暖かい光が満ちていますように。
思えば、巡礼とは、祈りを捧げながら、己とも向き合う旅。
もしかすると、我々のようにワイワイやっているほうが珍しい
のかもしれませんが(笑)
しかし、やはり、見知らぬ場所に足を踏み入れ、
十二年に一度しか拝むことの出来ない観音様に手を合わせ、
境内を吹き抜ける風に身を任せるのは気持ちのいいものです。
五番【正観寺】<開創寛永二年>(1625年)
こちらの寺務所の前には禅寺らしく『諸悪莫作』(しょあくまくさ)の文字があり、
これは「悪いことをするな」という、仏教の本質を伝えているそう。
ご開帳の聖観音菩薩は純金製で、弘法大師の作と伝えられているとか。
さて。
寄り道回り道は得意の二人。
この後続く巡礼がどんなものになるのか、
また五月六日までしかない期間中に無事三十三所を周れるのか(笑)
それは謎、ですが.....
先日書いた、『白いヘビの夢と弁天様のお話』の弁天洞は、
ここ五番【正観寺】さんにあります。
この弁天様は琵琶を持たない珍しいスタイルで、
今は弁天洞から本堂に移され祀られているのだとか。
珍道中はまだまだ続きます。
もう少し、お付き合い下さいね!
各お寺では、お参りをしたあと、必ず「どうぞお茶を!」と、
お寺の方が気さくに温かい声をかけて下さいます。
そして、どちらのお寺でも必ず、お茶と共にお菓子などを出して下さるのです。
こちらは五番【正観寺】さんで出して戴いた手作り梅干し。
ひと口かじって「う~ん、美味しい!」と思わず声をあげてしまった(笑)
皆様方にさらなる幸せがやってきますように。
ちなみに、納経帳へ押していただくハンコは各お寺でデザインが違います。
このハンコが増えていく巡礼の過程では、年齢や初対面という垣根を越えて
たくさんの方に道を教えて頂いたり、色んなおしゃべりをしたりしました。
思えば巡礼とは、もともと、そういったことを含めての
庶民の楽しみでもあったんでしょうね。
皆さん、親切にしてくださって本当にありがとう!まさに一期一会、ですね。
二番 【三念寺】 横浜市港北区鳥山町730
三番 【最勝寺】 横浜市神奈川区菅田町2713
四番 【専称寺】 横浜市神奈川区菅田町766
五番 【正観寺】 横浜市保土ヶ谷区東川島町45-4