猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

それも人、これも人  - 巡礼後記 -

2008年05月08日 02時02分55秒 | 旧小机領三十三所観音霊場巡り

さて。

長らくお付き合いいただきました、旧小机領三十三所観音霊場を巡る旅も、
おかげさまをもちまして、無事、結願(けちがん)と相成り.....
現在、心地よい疲労に包まれている我が家ではありますが。

 

巡礼の道は山アリ谷アリ、のどかな道アリ幹線道路アリ、でした。

 

本日はたまりにたまった家事を片付け、
また、これから、たまりにたまった写真の整理に追われる予定です。

で、追々、巡った各お寺の詳細などもUPしてゆこうかな、
などと思っているのですが.....

これについては徐々にという形で、しばらくは通常更新の記事の他に、
もうひとつ記事をUPするという方式になってゆくかもしれません。

 

ベランダでは、我々がお寺めぐりをしている間.....
アンブリッジローズがその美しい花を咲かせていました♪



が。
その前にまずは、この巡礼で私が感じたことなど、少し書いてみようかと。

最初は「楽しそう♪」と思って始めたことが.....
教えてくれたたくさんのこと。

 

夕方になると甘く強い香りを放つハゴロモジャスミン。
今、我が家のベランダでは、
アンブリッジローズとこの花の香りが混ざり合い.....
まるでこの世の天国♪

 

まず、驚いたのは、巡礼という行為が、普段はあるはずの人の心の垣根を、
あまりにたやすく取り払ってしまうということでした。

各お寺の境内に足を踏み入れた瞬間、
なぜかみな、自然に笑顔や言葉を交わす不思議。

老いも若きも、男も女も......

 

このニャンコはゴンザと超ラブラブになってしまい.....
境内から階段を下りてついてきてしまうまでに。
で、意地悪な私は帰宅後それをちゃあこに報告(爆)

 

そこには、目に見えないながらも、
『皆、生きていて、この一瞬を共に過ごしている』という、
そんな喜びがあったような気がします。

この子年観音のご開帳は、文字通り、次は十二年後。

その中では、出会う巡礼の方、
また、各お寺でお接待をしてくださる檀家の方々の年齢が様々であることから、
「次の時には私はもうこの世にいないわね~」とか、
「あんた達はあと三回は周れるよ~。頑張りなさいね」
なんて言葉がポンポン飛び出してきて、
なるほど、人の一生を色んな視点で考えると、この一瞬をいとおしみ、
楽しみ、分かち合うことの大切さが心にしみてくる感じがしたものでした。

 

各お寺で出して下さるお茶とおやつは本当にどれも美味しく、
これも楽しみのひとつでした♪
特に、『東観寺』でいただいたこの田楽の美味しさと言ったら!
手作りだというこのユズ味噌がもう、素晴らしいお味なのです~♪

 

また、静かな境内を吹き渡る風には、はるかな時間を超える何かがあり、
長い長い間、人々の祈りに包まれ続けた場所の持つ、
圧倒的なパワーと、それゆえの静謐に涙が出る思いでした。

 

 

 

小さな山の中にある、小さなお寺の碑に刻まれたのは、
周辺から出征して二度と戻らなかった人々の名。

さわさわと揺れる竹林の音は、そのときも今も、変わらないはずなのに....
なぜ彼らは、この美しい場所から死地へ赴かねばならなかったのだろうと。

 

いくつかのお寺には戦没者の慰霊碑があり、
中にはお一人お一人の名が刻まれたものもありました。
写真は30番『長泉寺』にある、慰霊の砲身。

 

平和を祈り、生きる喜びを感じるのも人間なら、
奪い合い殺しあうのも人間。

何百年という時を、そこで見つめ続ける観音様は、
幾度も繰り返される飢饉や戦争や、数え切れない人の生死を、
どんな思いでご覧になっていたのか。

 

生きて今ここにあること。
祈りを捧げられること、笑えること。
それはなんとありがたいことか。

 

.....そんな、色んな思いを含め、本当に多くの、多くの出会いがあった、
この巡礼の旅でした。

おそらく自転車で走行した距離は150キロを越えたと思われ(笑)
「自転車で、順番どおりに周ってます」と言うと、
誰もが眼を丸くして驚いていたけれど.....
(巡礼コースは山アリ谷アリ。番号順どおりに周ろうとすると行ったり戻ったりを
 繰り返さねばならず、たぶん移動距離は倍ほどに・笑)

とても、とても気持ちのいい、一生心に残る旅、でした。

 

自転車くんたちもご苦労様!
そして長い距離ありがとう♪

 

ちなみに、この旅でゴンザが私につけた新しいあだ名は『下り番長』。

これは上り坂ではヒイヒイ言いながら自転車をこぐ私が、下り坂では一転、
「わっはっはっはっは~♪わっはっはっはっは~♪」
と、野太い笑い声を上げて、猛スピードで突進してゆくから、なのですが.....(笑)
(周囲を歩いていた人々はギョッとして振り返る・爆)

また十二年後には『登りも番長』と言わせて見せるぜ!(笑)

 

無事巡礼を終え、帰宅ののちは、
近所の鯛焼き屋さんの十勝あずきサンデーで「お疲れ様~♪」。
この直前に、店員さん(おばちゃん)が運んできた二つを、
テーブルに置いた瞬間バタっと倒して中身がドバ~っとこぼれるという
ハプニングのオマケつき(笑)
つまり...これは新しく運んできてくれた二つ目ね。
いや~、疲れた身体に甘いものが美味い~♪