偕楽園好文亭付近には毎年マヤランが咲きます。今年も咲いています。
南門から左手へ、七曲りの途中です。通路内ですから注意してお通りください。また、掃除のために掃き清められると折れてしまいます。
通路の外側にもありました。好文亭外ではこの3か所を確認しました。
好文亭内は未確認です。7月4日現在ではまだ見つかりませんでした。
マヤランはある種のキノコと共生しているようです。キノコは樹種ごとに種類がありますので、マヤランはこの森の樹木と深いかかわりがあるわけです。マヤランは兵庫県の摩耶山で発見されたのでこの名があるとおり、暖地の植物で、茨城県は北限と思っていましたが、いわき市の寺で発見され、これが北限でしょう。いずれにしてもこちらでは珍しい存在です。
花の時期は2回あって、7月と9月ころのに見ることができます。
七曲りを下るとノカンゾウとヤブカンゾウが隣り合わせでそれぞれ咲いていました。
ノカンゾウ
ノカンゾウ
ヤブカンゾウ
ヤブカンゾウ
忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり (万葉集巻12 3062)
・・・忘れ草(カンゾウ)を垣根のようにびっしり植えたのに、名前ばかりで酷い草だねえ。少しも効き目がなくて、かえってあの人をますます恋焦がれてしまった。・・・
恋の病に効く薬は昔も今もないということですかね。
また
好文亭内には対古軒という間があって、
昔の歌に 世をすてて 山に入る人 山にても なおうきときは いづち行くらん とあるのに対して
斉昭公が 世をすてて 山に入る人 山にても なおうきときは ここに来てまし と詠んだそうです。
恋の病ほか諸事情でこころ沈むときには、寂しい陰の裏山(七曲り)に行くよりは、陽の好文亭から広い園内を眺め、詩歌と茶の道にひたるべしということでしょうか。
忘れ草、ヤブカンゾウは我が家でも先日から咲いています。
カンゾウは古くから愛されていますね。