マチンガのノート

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ビューティフル・デイ:監督 リン・ラムジー 出演 ホアキン・フェニックス

2018-12-25 21:17:50 | 日記

2017年第70回カンヌ映画祭の男優賞と脚本賞を受賞した映画。
戦争帰還兵のPTSD、児童虐待、DV、人身売買などの現代の問題を
散文的な説明なしに様々に散りばめて、ストーリーを展開していく。
説明的なセリフや描写を排し、映像と展開で登場人物たちの背景から物語までを
描いていく。
劇中、主人公のジョーのフラッシュバックのような映像で、主人公ジョーのトラウマを
少しずつ描いていく。
ジョーの仕事は、人探しのようで、上院議員から家出した十代の娘を連れ戻すことを
依頼される。
それまでの報酬の受け渡しの方法も、少し不審なことがあるとあっさり変更する。
物語ではすぐに娘の居場所がわかり、金づちをもって乗り込んで、見張りなどを倒し、
あっさり連れ戻すが、上院議員が不審な死を遂げ、ジョーも居場所に
サイレンサー付きの拳銃を持った2人の制服警官が押し入り、娘を連れ去る。
母親のいる自分の家に帰ると、母親は射殺されており、ジョーはそこにいたスーツを着た2人を射殺し、
母親の遺体を湖に沈める。スーツの片方も、自分のやっていることを嘆いている。
その娘を気に入っていた州知事が手をまわして、取り戻したことがわかり、
その州知事の屋敷にも金づちを持って入ってゆき、護衛を殴り倒して
州知事の部屋に行くが、州知事は娘に喉を切られて絶命していた。
そして娘を連れて田舎の食堂に行く。
ストーリーだけ文字にすると、単純だが、映画では主人公の疲れ切った様子、
無表情な上院議員の娘、周囲の人や景色の描かれ方から、前言語的なところに
訴えてくる。
スロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクは、現代はこれまでにない概念の熟成期と
書いていたが、それを思い出した。

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