第二次大戦から戻ってきたアルコールに依存気味の男性と、自称治療者の
男のグループとの話です。
【あらすじ】
太平洋戦線で水兵をしていたフレディ(ホアキン・フェニックス)は、復員後は
どこでも何かと上手くやって行けずにアルコールに依存気味の生活を送っていました。
そして偶然に自称治療者のドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)たちの乗っている
船に潜り込み、そのまま彼らと行動するようになるのでした。
【感想】
’50年頃を舞台にした映画ですが、その当時だと夫や親のDVなどで具合が悪くなっていたり、
戦争体験などで様々な症状がある人がいても、何が原因で自分が色々と具合が悪いなどが
解らない場合が多かったでしょうから、この映画のような胡散臭い自称治療者のところに
行くひとがかなりいたのだろうと思います。
依存症治療に詳しい松本俊彦さんは、依存症には「アディクションよりコネクションを」と
書いていましたが、当時はどこに繋がればいいのかもわからない場合がほとんどだったのでしょう。
昔も今も、社会的にスティグマ性のあるものを抱えた人のほうが、公的支援から遠ざかるケースが
多いのかもしれません。
物語自体には大きな展開はありませんが、主演二人の演技で最後まで引っ張られました。
それにしてもエイミー・アダムスさんは「メッセージ」で科学者役をしたり
「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」で薬物依存の母親役をしたり、
本作ではカルトの主催者の妻の役をしたりと、何かと器用に演じるのに
感心しました。
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