マチンガのノート

読書、映画の感想など  

ロスト・バケーション:2016年 米映画

2018-06-23 22:27:09 | 日記
米国の休学中の医学生がメキシコの無名のビーチにやってきます。
無名なので他には二人の地元の若者がサーフィンをしているのみです。
最初の方はスマホの画面を使った演出でちゃちな印象を与えますが
違いました。
ひと気のないきれいな海でサーフィンをしていますが、やっぱりサメがでます。
主人公は片足を咬まれてかなりの大怪我をしますが岩場に上って自分で
縫ったりウェットスーツを包帯代わりにしたりして対応します。
この辺は「冷たい熱帯魚」(園子温監督)が無理だった人は、横を向いている
以外ないでしょう。
それだけの大怪我をして、岸から離れた岩場に避難していて、
展開しようが無さそうですが、意外にいろいろ展開してゆき、
飽きさせません。
映画の最後に大きな傷跡のある足で、妹にサーフィンを教えるところも
良かったです。
見た目の綺麗さや健康さで魅せつつ、それ以上の価値を見せる映画でした。
シンプルな設定ですがとても魅せる映画です。

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二重作動、カップリングについて

2018-06-15 23:02:49 | 日記
河本英夫氏は、視覚などの明確なものと、触覚や内的運動感覚などの
明確でないものが結びついて、自己の内側と外側、自己と非自己が成立してゆき、
主体や体験が形成されるとのことを書いていたが、
自閉的な子供がプレイセラピーなどで、物を一列に並べたりというのは、
ベッテルハイムのころからよく取り上げられている。
自らが動いて物を一列に並べるというのは、自己の内側と外側の境界を作ろうという
行動の一部ではないだろうか。

ベッテルハイムの事で誰かが、境界を作ろうというのと、その後の象徴的表現を
分けて記述できていなかったのが残念とのことを書いていた。

自己の内側と外側の境界と言っても、内的運動感覚などは表現したり、視覚のようには
明確に感じ取りにくいので、モノを使ってその痕跡を作ってゆくと、
視覚などと結びついて、自他ともに解り易くなるのではないだろうか。

システム現象学―オートポイエーシスの第四領域 :河本英夫著

自閉症児の治療が上手い山中康裕医師の治療は動的で、ユング派の故織田尚生医師の
治療は静的との事を関係者から聞いたことがある。
教え子の人達が山中氏の治療を見たり聞いたりして教わっても解らないというのは、
鉄棒の逆上がりが出来る人や自転車に乗れる人が、できない人の
内的感覚と外的感覚の繋がっていくのを想像したり理解しにくいというのと
通じるものがあるのではないだろうか。