マチンガのノート

読書、映画の感想など  

クラウドの城 大谷睦 光文社 感想

2023-05-08 05:48:14 | 日記

第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作です。

【あらすじ】

イラクで民間軍事会社の警備員として勤務したのち帰国した主人公が、米大手IT企業のデータセンターに

警備員として勤務し始めますが、そこで密室殺人事件が起きるというものです。

【感想】

イラクで勤務していたときに凄惨な体験をしていて、格闘でむやみに強い主人公ですが、

純情な性格という独特なキャラクター設定です。

何より米大手IT企業のデータセンターの警備体制などの描写が興味深かったです。

日本の警察でもなかなか自由には現場検証もできないというのは、

沖縄の米軍ヘリ墜落事故のようですが、実際にはどうなのでしょうか。

謎解きの部分の出し方が不自然ですが、北海道の自然の描写や過疎地の人たちの

描き方が良かったです。

ミステリーよりアクションよりの物を書いたほうが良さそうな作者だと

思いました。


アフター・ヤン 監督 コゴナダ 主演 コリン・ファレル ジョディ・ターナー=スミス 感想

2023-05-07 15:25:48 | 日記

アレクサンダー・ワインスタインの短編小説「Saying Goodbye to Yang」を映画化したSFドラマです。

監督は韓国生まれのアメリカ人のコゴナダ、主演はコリン・ファレルです。

監督のコゴナダさんは、長編監督デビュー作「コロンバス」で、’17年のサンダンス映画祭などで多数の賞を取った方

とのことです。

【あらすじ】

人型ロボットが一般家庭に普及した近未来、茶葉店を経営するジェイク(コリン・ファレル)は、

妻のカイラ(ジョディ・ターナー=スミス)、養女の中国系のミカ、「テクノ」と呼ばれている人型ロボットの

ヤン(ジャスティン・H・ミン)とともに暮らしています。

ある日、ヤンが故障して動かなくなったため、ミカはヤンの事を心配し、とても寂しがります。

そのためジェイクがロボットに詳しい人に見せると、毎日数秒づつ動画を撮って残していたことが解るのでした。

【感想】

A24らしい作家性を前面にした淡々と進む映画です。風景の撮り方がきれいで、河瀨直美監督の映画を

思い起こさせます。故障したヤンを展示しようとする研究者や、それに反対する妻の態度が人型ロボットが社会に

普及した際に起きそうな軋轢を考えさせます。

A24の映画や、河瀨直美監督の映画が好きな人には気に入りそうな映画でした。

映画『アフター・ヤン』予告篇|


西成ゴローの四億円 死闘篇 監督 上西雄大 出演 上西雄大 津田寛治 奥田瑛二 感想 

2023-05-04 23:27:45 | 日記

「西成ゴローの4億円」の後半になります。

【感想】

後半になり、物語がドンドン展開してゆきますが、荒唐無稽なところが多く、独特な内容になってきます。

闇金姉妹も大活躍しますが、姉役の徳竹未夏さんが恋する乙女になるところが面白かったです。

徳竹未夏さんはかなり演技の範囲が広い方のようでした。

加藤雅也さんもいい味を出していました。

メジャー映画と比べると雑な作りと展開ですが、それが独特の魅力を出している映画でした。

西成ゴロー全国ロードショー

 

『西成ゴローの四億円』シリーズ2部作最新予告映像(60秒)


マグニフィセント・セブン 監督 アントワーン・フークア 出演 デンゼル・ワシントン クリス・プラット イーサン・ホーク 感想ネタバレ

2023-05-04 19:52:44 | 日記

日本映画の「7人の侍」を米国でリメイクした「荒野の7人」を’16年にリメイクしたものです。

何かと現代的に作られていました。

【あらすじ】

金鉱の所有者ボーグは近くの町から住民を立ち退かせようと、抵抗する住民は射殺し、教会にも火をつけます。

そのため数人の住民でガンマンを雇いに行きます。

そして賞金稼ぎなどをしている委任執行官のチザム(デンゼル・ワシントン)やギャンブラーのサム(クリス・プラット)、

南軍の狙撃兵だったロビショー(イーサン・ホーク)など7人のガンマンを雇います。

【感想】

雇われるガンマンたちですが、現代の映画らしくメキシコ人のお尋ね者や、東洋人のナイフの使い手、

南北戦争中に狙撃兵だったのにも関わらず人を撃つことをためらう人物など、それぞれ特色のある登場人物になっています。

それぞれ特技や得意のスタイルがあり、それが新鮮で上手く行っていました。

それぞれの特色を出すのに7人というのはちょうどいい感じでした。

前作「荒野の7人」と同様、西部劇なのですが、こちらは悪役が金鉱の持ち主ということで、多くの部下を集めるので、

西部劇の撃ち合いというより戦争映画の戦闘という感じの規模の戦いになっています。

戦闘の舞台の範囲が広まると、全体が分かりにくくなりそうですが、そこは上手く作っていました。

映画『マグニフィセント・セブン』 

 


西成ゴローの四億円 監督 上西雄大 出演 上西雄大 津田寛治 奥田瑛二 感想 

2023-05-03 21:37:30 | 日記

「ひとくず」の上西雄大さんが主演、監督をした映画ですが、こちらは2部作で、後編は『死闘篇』に

続きます。映画館では短期間しか上映していませんでした。

【あらすじ】

西成の日雇い労働者のゴローは殺人罪で服役していたのち、日雇い仕事をして暮らしています。

ある時、頭部を怪我をしたことをきっかけに、徐々に記憶を取り戻してゆきます。

かれは以前は政府の工作員”ヒューミント”で、自分で警護していた一家を殺したとされているのでした。

その際に何が起きたのかについては、記憶が戻りません。

妻・真理子(山崎真実)と再開し、娘・裕歌(田中心彩)が病気のため心臓移植が必要で、

その費用に4億円が必要なこと知ります。

【感想】

津田寛治さんや奥田瑛二さんなど、有名俳優さんたちも出演していますが、他の脇役の方々が、

とても濃く、インパクトのある人が多いので、最近の多くの日本映画とはかなり違った映画です。

特に闇金姉妹を演じる徳竹未夏さんと古川藍さんが印象的でした。徳竹未夏さんはノリノリで演じているようで、

「ひとくず」とはかなり違う役柄ながらハマっていました。

時々出てくる風景のショットがとてもきれいで印象的な映画です。

映画『西成ゴローの四億円』公式サイト|監督・主演:上西雄大

映画『西成ゴローの四億円』公式サイト|監督・主演:上西雄大

所持金0円の無敵の男が、家族のために捨て身で稼ぐ。

映画『西成ゴローの四億円』公式サイト|監督・主演:上西雄大

 

 

『西成ゴローの四億円』前篇/死闘篇 2部作予告編