本書のなかで取り上げられている「症例:アンネ・ラウ」は入院先での主治医との間での語りの中で、
「当たり前ということがわからない」「指導してくれる人がいないと何も出来ない」等
語っているが、母親がアンネ・ラウは父親からボロ布のように扱われていた、
と語っていてることから考えると、アンネはずっと考える余裕もなく周囲の言いなりになり過ごしてきたのではないだろうか。
入院して親から引き離されたことで余裕が生まれ、感じたり考えたりするようになり、上記のような事を
語ることが出来るようになったと考えられる。
虐待家庭から引き離されることで回復に向かう事が多いのも、無理やりやらされていて
言いなりになっているのみの生活がそうでないものに変化するというケースが多いからなのだろう。
この著者は普通の家庭しか知らず、親が子どもを世話したり守ったりすることのない家庭というものを
知らなかったので、自らの患者を理解できなかったのだろう。
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