友人が自宅の庭を改築しているというので、訪れてみました。
工事を請け負っている庭デザイナーさんの命名で、「壷中泉」という庭になるそうです。
下記は友人から教えてもらった、壷中の由来
壺中日月長(こちゅう じつげつながし) 『後漢書』
「壺中」というのは、壺中の世界のことで、ごく限られた、小さな世界のことです。
それはまた「壺中の天地」という言葉もありますように、別天地、仙境でもあります。
「日月長し」とは、非常におだやかな、のんびりとした時間がいつまでも流れているということで、
この句は、壺のような小さな世界でも、平和に日が送れるという意味です。
『後漢書』には、費長房という人が、壺公と呼ばれた薬売りの老人の持つ壺の中に入り込んだところ、
中には立派な宮殿があり、費長房はそこで様々な歓待を受けて戻ってきます。
すると、わずか十日ほどだと思っていたのが、実は十数年たっていた、という物語が紹介されています。
それが「壺中日月長」ということなのですが、この「壺中」は必ずしも空間的な意味ではなく、
時空を超越した心の別天地をさすのです。 主婦の友社 茶の湯禅語便利帳より
浦島太郎のような話ですが、時空を超越した心の別天地を私も持ちたいものです。
さて、友人宅にはお庭だけでなく、立派なお茶室、「珠玉庵」もあって、お茶でおもてなしを受けました。
お菓子は春をイメージしたかわいらしい取り合わせです。三河地方には いがまんじゅう という名物のお菓子があって、
ひな祭りには必ずこのおまんじゅうを食べます。黄色とピンクの色のついた米粒がのっているのがそれです。
お庭を見せてもらい、お茶とお菓子で優雅なリラックスタイムを楽しませてもらいました。