徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

マイ・アドベンチャー

2010-12-06 19:33:53 | 熊本
 夕方所用で通町まで歩いて行った。千葉城町の熊大附属幼稚園に差し掛かった時、先生方が園内の掃除をしているのが目に入った。ここは60年ほど前、僕が通い、母が永年勤めていた幼稚園でもある。ふと当時の光景が想い出された。まだ舗装もしてなかったこの道は、自動車はほとんど見かけず、時おり馬方が引く荷馬車が通った。朝は母と一緒に約2キロの道を歩いて登園した。今日では信じられないことだが、帰りはほとんど一人で歩いて帰った。帰り道は三つのコースがあった。その日の気分や天気の具合によってコースを変えるのが楽しみだった。一つ目は朝の登園と同じ道を帰るコース。最短コースであまり面白みはなかった。二つ目は幼稚園を出てからすぐ千葉城橋で坪井川を渡り、旧3号線に出て、不開門(あかずのもん)から熊本城に入り、宇土櫓の前を通って城内を抜け、新堀町にあった加藤神社を通り抜けるコース。ちなみに当時の熊本城は天守閣はまだ再建されておらず、出入り自由だった。三つ目は、当時走っていた市電の上熊本~藤崎宮線の道を通って磐根橋の真下まで行き、そこから階段を登って加藤神社を通り抜けるコース。特に雨の日は必ず加藤神社を通るコースを選んだ。なぜなら、雨の日は神社の中に小さなカエルが出没するので、それをつかまえて帰るのが楽しみだったからだ。戦後まだ5~6年の頃の僕のアドベンチャーである。


銀杏並木が鮮やかな熊大附属幼稚園前