徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

生誕百年に向けて ~ 海達公子 ~

2011-08-24 23:11:02 | 文芸
八月二十三日、公子は、母親の行商先の飯田町の常宿部屋で呱呱の声をあげた。故郷南国阿波の阿部を遠く離れて、信州伊那の盆地、飯田の行商先の宿で生まれた公子といえば一般的には数奇な運命に置かれたように思われる。が、阿部のいただきさんの伝統的な行商法を理解すれば、決して特殊なケースではない。阿部と荒尾と飯田を結んだ線が必然的に構成されたものであったと理解できる。
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 これは規工川祐輔著「評伝 海達公子」の一節だが、徳島や長野まで足を運び、公子の出生地の謎を解き明かしたくだりを規工川はこう著わしている。
 それにしても16年という一生は短かすぎる。せめてあと10年も生きていれば、「金子みすゞ」にも「豊田正子」にもなれたものを。
 昨日は海達公子の生誕95年に当る日だった。荒尾市の海達公子顕彰会では、5年後の生誕百年を期して記念行事を準備していると聞く。それまでに僕の夢であるドラマ化が実現すればいいが。