徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

いずれ アヤメ か カキツバタ

2014-05-10 20:24:15 | その他
 立田山湿性植物苑のカキツバタを見たくなり、母を連れて見に行った。出会った人の話では、残念ながら3日ほど盛りを過ぎたそうでしぼみ始めていた。それでも十分に艶やかさの名残りは味わえた。

「何れ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」

 南北朝時代の軍記物語「太平記」の一節に典拠を持つこのことわざは「どちらも優れていて選び迷うこと」の意である。
 ところで、僕はつい最近まで「ショウブ」「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」の違いを知らなかった。実は四つとも別ものだそうである。まず、端午の節句にお風呂に入れる「ショウブ」だけは他の三つと異なり「サトイモ科」の植物だという。残りの三つはいずれもアヤメ科の植物だが、「アヤメ」は乾燥した山野に生える植物で水辺に生えることはないそうだ。となると「水郷潮来のあやめ祭りのアヤメってホントにアヤメ?」てな疑問もわいてくる。「ハナショウブ」はもともと水辺や湿原に自生する「ノハナショウブ」が栽培品種化されたもので、肥後六花の一つ「肥後花菖蒲」もその一系統である。「カキツバタ」も水辺や湿地に群生する植物だが園芸植物となったのは「ハナショウブ」よりも歴史が古いという。
 ちなみに、能「杜若(カキツバタ)」は室町時代の金春流中興の祖、金春禅竹によって作られた。




▼「潮来あやめ踊り」とも呼ばれる「潮来音頭/潮来甚句」

【備考】
 「潮来甚句」は「牛深ハイヤ節」を源流とすると言われている。