徒然なか話

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超絶技巧! 長唄三味線 「二人椀久」

2014-05-26 15:46:38 | 音楽芸能
 三味線音楽の中でも難曲中の難曲といわれているのが「二人椀久」。三味線奏者にとって一生に一度は演奏してみたいという曲だそうだ。僕はテレビで一度、歌舞伎舞踊として見たことがあるが、生の素演奏を昨年3月に熊本市民会館で見た。それは、3月3日のひな祭りの日に行われた「饗宴!ひなまつり絵巻」。熊本が誇る邦楽の名手、三味線の今藤珠美、筝の下田れい子、囃子の中村花誠の三人をフィーチャーした舞台が繰り広げられた。その中でも、今藤珠美(三味線)、今藤美佐緒(三味線)、芳村伊四絽(唄)、今藤美佐藤(唄)の四人の演奏による長唄「二人椀久」には圧倒された。この時は撮影ができなかったのが今もって残念である。
 下の映像は屈指の長唄三味線演奏家・杵屋裕光さんの一座による演奏だが何度見ても飽きない素晴らしい演奏だ。

【二人椀久とは】
 江戸時代初期に実在した大坂の豪商・椀屋久右衛門(わんやきゅうえもん)通称「椀久」と大坂新町の傾城(けいせい)松山大夫との恋を題材にした歌舞伎舞踊。椀久は松山太夫に入れ込み過ぎたため、座敷牢に閉じ込められてしまう。恋しさのあまり気が狂った椀久は、やがて松山太夫との華やかなりし頃の幻想を見るようになり、夢の世界で色模様を繰り広げる。