徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

〽花の京町 中坂越ゆれば金剛寺

2015-06-17 18:27:49 | 歴史
 今では人通りも少ない狭い急坂にすぎないが、かつては豊後街道の一部として華やかな参勤交代の御行列が通り、また、本妙寺の参道として参拝客の往来が絶えなかったという。登り口には加藤神社の別当として隆盛を極めた金剛寺があった。熊本民謡「ポンポコニャ」にも唄い込まれておなじみの一節である。

〽花の京町 中坂越ゆれば金剛寺 オヤポンポコニャ
 揚弓カッチリ 信濃の善光寺 少し下がればナ オヤ ほんまの二十四拝
 オオーサポンポコ ポンポコニャ


 明治維新で大名家はなくなり、廃仏毀釈など時代のうねりで衰退した金剛寺が、崖崩れの危険性もあってここを去り、明治24年には九州鉄道の開通に伴って新しい馬車道、新坂が通ると、中坂の歴史的役割は終わった。
 たまに散歩でこの中坂を通るのだが、横道の春木坂に入る辺りでひと休みしながら耳を澄ますと、行き交う往時の人々の話し声や馬の蹄の音などが聞こえてくるようだ。