徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

とつけむにゃあ!(その2)

2019-05-09 20:36:18 | 熊本
 玉名の妹の家へ行ったついでに、近くの金栗四三さんの旧居(池部家)を覗いてきた。昨年秋に前を通った時にはまだ見学できるようにはなっていなかったが、今ではすっかり観光スポット化している。案内ボランティアの方の話では連休中は賑わったらしい。もらったパンフレットの中にも「とつけむにゃあ」の文字が。
 大河ドラマ「いだてん」の中で度々使われる言葉「とつけむにゃあ」については、このブログの2月3日の記事に「篤敬(とっけい)もない」から来ているのではと書き込んだ。その後、これを確かめるべく、いろんな古い文献を読んでみたが、まだ納得できるような記述は見出せていない。しかし、2月3日の記事に書いたように「論語」に出て来る孔子の言葉「言忠信(げんちゅうしん)行篤敬(こうとっけい)」の他に、聖徳太子の十七条憲法の第二条に「篤敬三宝」(三宝すなわち仏・法・僧を篤く敬うべし)という言葉があり、戦前の文献にはこの言葉の引用が数多く見えることから、かつては「篤敬」という言葉は日本人に広く使われていたと考えられる。
 ちなみに、今日熊本などで言う「とつけむにゃあ」は「とんでもない」とか「途方もない」とかいうニュアンスだが、熊本には「とほむにゃあ」という言葉もあり、「とつけむにゃあ」という言い方はもともと「常識はずれ」というような否定的なニュアンスがあったのではないかと考えられる。


  ▼2月3日の記事「とつけむにゃあ!」


金栗四三・スヤ夫妻が永年暮らした池部家


四三とスヤの想いが込められた記念碑と夫妻のお墓