徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

石橋余話

2019-05-27 21:50:54 | 日本文化
 今日皇居では両陛下がトランプ大統領夫妻を招いて晩さん会が催された。招待者全員から順番に挨拶を受けられるのが「石橋(しゃっきょう)の間」。能「石橋」をモチーフに前田青邨が描いたシテおよび2枚の牡丹の障壁画が飾られていることからこの名が付けられたという。能「石橋」は中国の仏跡を巡る修業の旅を続ける寂昭法師が清涼山にある石橋付近に着くと、ひとりの童子が現れ、橋の向こうは文殊菩薩の浄土であると告げる。この橋がかかる谷は数千丈、長さ三丈余、幅一尺足らずで容易に渡れない。つまり、仏道修行の困難を示唆しているという。後半の獅子の舞は、歌舞伎や舞踊に獅子の舞として取り入れられた。これらの獅子の芸能を総称して「石橋もの」という。
 先日、八千代座で行われた「山鹿をどり」は、「花童あかね改めはつ喜流月乃」さんのお披露目も兼ねていたが、彼女が踊ったのが「長唄 鏡獅子」。「石橋もの」の一つである。彼女にとっても厳しい修行の日々が続くことだろうが、ぜひ頑張って一流の舞踊家になってほしいと願っている。


はつ喜流月乃