徒然なか話

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熊本の地下水量「琵琶湖の水の3.2倍!」

2023-10-03 19:10:16 | ニュース
 今日の熊日電子版で「熊本地域の地下水量は琵琶湖(滋賀県)の貯水量の約3.2倍に当たる」という記事が目についた。最新技術で推計したところ、従来の推計を大幅に上回り、約871億トンの地下水があるという。このうち約100億トンが、地下水に利用している地表に近い帯水層に貯留していて、残る約771億トンは深部の帯水層に存在するという。
 僕は彦根勤務時代、仕事で琵琶湖を何周もし、その広大さを実感していたので、その琵琶湖貯水量の3倍以上の地下水が熊本地域の下に蓄えられていると聞いて驚くばかりだ。
 熊本の地下水について、昨年4月熊本市で行われた「第4回アジア・太平洋水サミット」で、オンラインで参加された天皇陛下は記念講演の中で
「熊本市周辺は阿蘇山の噴火に伴う火砕流が降り積もってできた台地の上に立地しており、火砕流堆積物は水を通しやすいことなどから降った雨が良質な地下水となり、人口74万の熊本市のすべての飲料水を賄っています。人口70万を超える都市においてこのようなことを実現している例は世界でも稀です。」
と話された。
 こうした豊富で良質な地下水の恩恵は、ASO‐1からASO‐4までの大火砕流噴火によってできた地層はすきまに富み、水が浸透しやすい特徴を持っていて、100m以上の厚さで広く分布しているという。
 加えて約430年前、肥後に入国した加藤清正公が手掛けた多くの土木工事、治水・利水工事によって白川中流域(大津町・菊陽町など)に堰や用水路を築き大規模な水田開発が行われた。その後、代々の細川家にも受け継がれたが、白川中流域の水田は「ザル田」と呼ばれる水が浸透しやすい土壌で、大量の水が地下に浸透し、ますます地下水が豊富になったといわれる。
 しかし今、大量の水を使う半導体関連企業の集積による影響が懸念されている。年間に採取する地下水以上の量を涵養して行く必要があるという。


阿蘇の伏流水が湧出する水前寺成趣園(熊本市中央区水前寺公園・古今伝授之間)


水郷水前寺・江津湖湧水群の中に位置する成趣園は文化の発信基地でもある。


阿蘇の伏流水を集めて流れる加勢川の清流


「ASO-4」の第一帯水層の下に「ASO-1~3」の第二帯水層(ブラタモリ水の国熊本編より)


日本最大の湖「琵琶湖」(滋賀県高島市・白髭神社)