徒然なか話

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標石が語るもの

2023-10-28 21:05:10 | 歴史
 熊本城周辺を歩いていると、ところどころで「陸軍所轄地」と刻まれた標石がひっそりと佇んでいるのを見る。明治4年から昭和20年の終戦までの74年間、熊本城が日本陸軍の用地だった歴史を示す遺物なのである。
 明治4年(1871)に鎮西鎮台が熊本城に置かれたことに始まり、以後、明治6年(1873)には熊本鎮台、明治21年(1888)には第六師団へと変遷した。この間には神風連の乱や西南戦争の現場となった。その後、日清・日露戦争、日中戦争そして太平洋戦争と軍事基地として派兵・兵站の拠点となったのである。
 散歩の足をとめて標石をじっと眺めていると、ここで軍務に就いた人、ここから戦地へ赴いた人など多くの人々の魂が込められているような気がしてくる。


監物櫓下の標石


熊本地震からの復旧なった監物櫓


かつて陸軍施設が軒を連ねていた二の丸広場