徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

福連木の子守歌/五木の子守歌

2023-10-08 21:25:52 | 音楽芸能
 YouTubeマイチャンネルの「2023年1~9月動画視聴ベスト10」に「五木の子守唄」が初めてランクインしましたので、この唄についてあらためてご紹介します。

 父が天草の大矢野島(現在の上天草市)上村小学校に赴任した昭和10年頃、天草は大小100余りの島々に20数万人の人が暮らす貧しい地方でした。父の備忘録には、40名ほどのクラスの4分の3が、弁当に「かんちょ(上天草の言葉でさつま芋のこと)」を持ってきていたと記されています。当時はまだ「からゆきさん」の風習も残っていたほどで、家が貧しいために「口減らし」として八代や人吉方面などに子守奉公に出された少女たちも多かったといいます。天草下島の福連木(ふくれぎ)から子守奉公に行った少女たちが自らの不幸な境遇を子供に歌って聴かせ、自らをも慰めるため歌った「福連木の子守唄」がもとになって「五木の子守唄」ができたという説もあります。昭和28年(1953)に「五木の子守唄」がレコード化されたことによって全国的に有名となりましたが、「福連木の子守唄」は熊本県内ですらまだあまり知られていません。なお、福連木は天草下島を本渡から下田方面へ山越えする途中にある山村のことです。