徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

八代亜紀さんを悼む

2024-01-10 23:16:36 | 音楽芸能
 歌手の八代亜紀さんが昨年末に亡くなっていたというニュースは彼女の地元である熊本県民および八代市民には衝撃的だった。僕の妻なども年齢的に近いこともありかなりショックを受けたようだ。八代さんは歌手としてだけでなく、画家として、また地震や豪雨災害などの被災者に積極的な支援活動を行ってきた方として広く知られており、あらためてその存在の大きさを認識させられる。
 彼女の歌で最も好きな歌は「舟唄」だったが、訃報を聞いた時、最初に浮かんだのはなぜか「男はつらいよ」だった。渥美清の歌としておなじみの映画「男はつらいよ」の主題歌を彼女が歌ったのは山田洋次監督「男はつらいよ」シリーズ49作目「男はつらいよ~寅次郎 ハイビスカスの花・特別編」だった。この映画は平成9年(1997)に製作されたが、その前年に寅さんを長年演じた渥美清さんが亡くなっており、この特別編製作にあたって山田洋次監督はあえて主題歌を八代さんにオファーされたと聞いている。映画自体はその17年前に公開された第25作のリマスター版に新しい場面をいくつか追加したものだった。僕がこの映画の特に印象深いのが、新しく追加された場面で、成人した満男(吉岡秀隆)がセールスの仕事の旅先、駅のホーム(東海道線 国府津駅)で缶ビールを飲みながら「会いたいなあ、伯父さんに」と思っていると、線路を挟んだ反対側のホームに旅姿の寅さんの姿が見え、電車越しに手を上げるというCG合成の渥美清がよみがえるシーンだ。僕は個人的にこの国府津駅に思い出があるので特に印象深かったのだろう。そして八代さんの主題歌。渥美節とはまた一味違う八代さん独特の節回しが印象的だった。

謹んで八代亜紀様のご冥福を心からお祈り申しあげます 安らかにお眠りください 合掌