徒然なか話

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落語「明烏(あけがらす)」

2018-09-08 15:40:13 | 音楽芸能
 「落語ディーパー!」(NHK-Eテレ)の新シリーズが始まった。毎回、春風亭一之輔師匠や若手落語家たちと堂々と渡り合う俳優の東出昌大の落語に対する造詣の深さに驚き。第1回は、遊廓を舞台にした廓噺(くるわばなし)の中でも代表的な「明烏」。吉原の遊女浦里と春日屋時次郎の情話を節付した新内節「明烏夢泡雪(あけがらすゆめのあわゆき)」がもとになっている。遊女との一夜が無粋なカラスの鳴声とともに明け、後朝の別れをせねばならない。そんなつれないものの象徴が明烏なのである。この落語の面白さは登楼する前と後で立場が逆転するオチ。

▼「明烏(あけがらす)」あらすじ


 新内節「明烏夢泡雪」をもとに音曲、歌舞伎、落語など多くの「明烏モノ」が作られた。それらに共通するのは浦里・時次郎という登場人物の名前。近年、話題となった笑福亭鶴瓶の新作落語「山名屋浦里」も遊女浦里の名前を借りている。熊本県牛深地方の民謡「牛深三下り」(下の映像)の唄い出しにも「明烏夢泡雪」の一節が引用されている。


〽浦里 嘆けば みどりも嘆く もらい泣きする 明烏