雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

新JR武雄温泉駅

2008-02-19 05:09:20 | 樋渡啓祐さんのこと
今日の武雄市長物語、「新JR武雄温泉駅」と題するブログがアップされている。

この記事、樋渡さんさらっと「煉瓦調のこの駅を」としか触れていないが、
樋渡さんのこの駅に懸けた想いのようなものが、自然に伝わるようなものに仕上がっている。


リンクされている西日本新聞の記事のなかにも、武雄楼門の設計者で唐津市出身の建築家辰野金吾氏が手がけた東京駅に倣い赤れんが風のという表現もあった。

確か、そうなんだが、何か違っている。
どこで読んだのか聞いたのか、「そんなかっこいい話ではなかったはずだ」とあちこち探してみたが。
最近は、直ぐ忘れてしまうのである。過去の樋渡さんのブログなど見たが出ていない。

はっと、思い出した。あの本の中だ。
「力強い」地方づくりのための、あえて「力弱い」戦略論のなかの112ページに載っていた話である。


「思いつきでも職員はフォローしてくれる」という見出しで語られている。

市長着任早々、職員が武雄温泉駅の新駅のイメージ図面を持ってきた。
白いどこにでもある蒲鉾のような駅だった。
「変えられないか」「無理だ、もう決まっている」「どうしても変えたい」こんなやり取りがあって、「分かった、でもイメージは市長が考えてほしい」

これがスタートである。
それから、いろいろ調査した。
武雄から30分ほどのJR牛津駅のれんが調がいいと思ったがモノマネと言われそうだ。
その日の東京出張で、その日の新聞に2011年を目途に東京駅が辰野金吾博士の
設計当時の意匠に蘇るという記事が載っていた。天の援けみたいなものである。

直ぐ担当に電話した。「市長、思いつきにしては最高だ」


こんなことから、赤レンガを基調にした武雄温泉駅は出来上がっているのである。

こんな樋渡さんの発想が好きなのである。
然し、世の中にこんな発想で物事を進める人は少ない。
世の中にはこんなツキが、あちこちに不思議なほどいっぱい転がっているのだが、スタートしない人には拾えないのである。


樋渡さんの本には、こんな面白い話満載なのだが、
読んだから必ずそのように出来るとは限らない。多分出来ない人のほうが多いだろう。

こんな風に出来るためには、「奇人、変人」に自らを変身する必要がある。
これが出来るかな? と思うのである。

この話はここで終わってはいない。
この担当者は、JR、佐賀県、国土交通省、地元の協議会など走り回ったとあとで知った。かなり怒られたそうである。

「武雄市役所のすごさは市長の忘れっぽさとそれを補って余りある職員の頑張りだ。」と結ばれている。
「思いつきでも職員はフォローしてくれる」、上が動くと下も自然に動くものである。


新武雄温泉駅、開業おめでとうございました。
コメント (2)
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