OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

「わが経営」(ジャック・ウェルチ)を読みながら(1)

2005-03-28 00:43:34 | 本と雑誌
(p48より引用) 上司というものはたいてい、部下に質問するときは、すでに頭の中で答えを出している。上司はただ確認したいだけだ。群れから抜け出すには、与えられた質問の枠を超えて考える必要がある。私はただ質問に答えるだけでなく、上司の意表をつく新鮮な視点を提供したかった。



 確かにそうです。(何らかの事実関係を確認するような場合は別として)何らかのテーマについての考えを質問するときは、ほとんどの場合自分なりの答えをもっています。

 最もがっかりする答えは、自分の問い(関心事)と全く別のチンプンカンプンものである場合です。が、この場合は「私の質問の仕方が悪かったのだ」と反省します。
 私の考えているものとほぼ同じの場合は、可もなく不可もなくということ。
 私の考えていることは(当然のごとく)踏まえつつ、さらに私の全く及びもつかない観点や極めて高度な専門的切り口からのコメントがあれば感激ものです。

 と、そのように私に対してメンバが接してくる場合は大いに刺激的な意見を期待しているのですが、振り返ってみて私が上司に対してそういうクリエイティブな刺激を与えているかとなると、これはほとほと情けない限りです。

ジャック・ウェルチ わが経営
ジャック・ウェルチ,ジョン・A・バーン,宮本 喜一
日本経済新聞社



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「直列型」より「並列型」で - 早く進める工夫 -

2005-03-27 20:01:31 | ブログ
 仕事を進めていく際は、どんな人でも必ず複数の業務(課題)を抱えることになります。その場合、当たり前ですが、ひとつし終えてから次にとりかかる・・・というやり方はよくありません。

 複数の業務は「同時進行的」に「並列(パラレル)」に進めておくべきです。
 順々に(シーケンシャルに)取り組む場合はプライオリティ(優先順位)をつけるわけですが、プライオリティは時折変化します。何らかの要因で、先にとりかかっていた仕事Aより後にする予定だった仕事Bの方を急がねばならなくなることはよくあります。
 また、ひとつの仕事がなかなか片付かず長く尾を引くこともあります。こうなるといつまでたっても次の仕事にとりかかれません。

 したがって、ひとつの仕事は、常にいくつかの業務のかたまり(サブタスク)に分けて「同時並行的」に片付けていかねばなりません。

 その場合にも、「時間」と「空間」というコンセプトが重要になります。

 すなわち、ひとりでそれら複数のサブタスクを処理しようとすると「時間を区切って(タイムシェアリングして)」取り組むことになります。
 また、他の人に依頼していくつかのサブタスクを処理してもらう場合は「空間」を活用したことになるのです。
 さらに、複数の部分に分けて進めている場合、「時間」と「空間」をうまく組み合わせて、「他部門に依頼している」間に「別の部分を詰めておく」という「時間分担と空間分担の連携プレー」を図るともっと効率は上がります。

 以前、小型ビデオカメラの大ヒット商品に「SONYハンディカムTR-55」という機種がありました。この製品の開発においては、製品化/製造・値づけ・プロモーション等のあらゆる営みが同時並行的に動き、驚異的な短期開発を成し遂げたと言われています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BOOK -頭の体操 四谷大塚ベストセレクション-

2005-03-26 23:58:01 | 本と雑誌

 今から30年以上前、何冊か多湖氏の「頭の体操」を読んで、数え切れないくらいの「目からうろこ」の経験をしました。

 書店の棚で最近のセレクション版が目に入ったので、さっそく久しぶりに読んでみました。内容的には、ひねった中学入試を意識したためか、また、私の昔の幻影が大きかったためか、いまひとつ物足りないものでした。

 もしろん、いくつかの問題は、「さすがの発想」のものもありましたが・・・
 (連立方程式で解いては、「頭の体操」とはいえません。我ながら反省です。)

頭の体操 四谷大塚ベストセレクション (カッパブックス)
多湖 輝
光文社


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

判断を求める時は

2005-03-23 23:39:57 | ブログ
 判断を求めるときは、自分で「これだ!」という案をひとつ持っていく場合と、いくつかの案を考えて持っていく場合があります。

 「単独案」はできるだけ避けた方がいいです。自分が「これしかない」と思っても、初めて聞く人は必ず「本当にこの案だけ?」との疑念を抱きます。結局のところ「結論はこれしかない」という説明をあれこれ詳しくしなくてはならなくなります。
 「単独案」の場合には、はじめての人を納得させるために、その「判断過程」や「理屈づけ」を明確にしておかねばなりません。

 「複数案」の場合は、それそれの案の比較の納得性が重要になります。「メリット/デメリット」の整理です。
 その際重要なのは、恣意性のないことを印象付けることです。そのためには、まず「評価観点の網羅性」が大事です。自分に都合のいい評価観点を選んでいるのではなく、公平な立場であらゆる観点から評価していることを示さなくてはなりません。
 次に、それぞれの評価観点の○×△をつける訳ですが、その「評価基準」が明確でなくてはなりません。数値化できるものは客観的な数値で比較しますが、数値化できないものについても何らかの評価軸(尺度)をイメージしてそれに当てはめて○×△をつけるのです。

 評価内容を説明するときは、「自分ではこれがいいと思う」という案を決めておかなくてはなりません、「どうぞ自由に決めてください」というのは不親切です。資料上にはっきり評価結果を書かない場合でも、「メリット・デメリットを勘案すると……という理由で、案○がいいと思います。いかがでしょうか?」という風にもっていくのです。

 上手な人は、うまく「上司に判断させる」ものです。上司は「自分で最終判断した気」になり、説明者は、「うまく自分のストーリーどおりに上司を誘導した」という訳です。

 最後に、説明するときの工夫ですが、検討したすべての内容を説明する必要はありません。ポイントは資料本編に記述するとして、あとは「想定問」的感覚で準備しておけばいいのです。ただ、その場合でも「根拠資料」は手元にきちんとおいておき、必要な時にすぐ見せられるようにしておくのがスマートなやり方です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まず、「とりあえず版」を返す

2005-03-21 16:15:20 | ブログ
 上司の人から何らかのオーダ(たとえば、資料作成等)を受けたときの対応方法です。

 まず、少しでも早く「とりあえずこんな感じ版」を返すことです。(あまりに早すぎると「考えていない」と思われますが)早く返せば、「6割の出来でもOK」です。
 大体の場合、いきなり100点満点のアウトプットが出るはずがありません。早く返すと軌道修正が早くできます。その結果、手戻りのリスク・無駄を回避することができます。

 上司の立場で言えば、時間がかかっていると「(きちんとやっているのか)不安」になりますし、これだけ時間をかけているのなら・・・とどんどん「期待が高まる」のです。(期待はずれだと、その落胆は倍加します)

 いったん「とりあえず版」で返しておくと上司も安心しますし、過度な期待を抱かれないで済みます。最後のどんでん返し(上司のダメだし)があると、それまでの努力は水の泡。せっかくの貴重な時間が無駄になってしまいます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

効率的な(手戻りの少ない)進め方

2005-03-20 20:44:10 | ブログ
 業務に取り掛かるとき、何事もそうですが「スタート」が肝心です。最初に走り出す方向がとんでもない方向だといつまでたってもゴールには着きません。

 テーマが決まったら、「まずべクトル合わせ」をします。その際は当該テーマに携わるメンバ全員が一同に会してミーティングをするのが一番です。伝言ゲームは「時間の無駄」ですし「誤解のもと」です。

 次にベクトル合わせを踏まえた「ラフ案(たたき台)」を作成します。
 この場合注意すべきことは、論理構成・ストーリーをしっかり考えることです。細かな内容は「6割」でOKです。

 ラフ案ができたら、早めに当該テーマに携わるメンバ全員で「議論」します。いわゆる「3人寄れば文殊の知恵」の実践です。全員で会するのがベストですが、関係者の時間が合わない場合があります。その場合は、別々に意見を収集するかメールでの照会をします。
 
検討結果は通常ペーパーに取りまとめますが、ぺーパーの化粧は最後にゆっくりやればいいのです。あまり力を入れる必要はありません。
 最後の見栄えは、その資料を見る人・使う人の「好み」です。まずは「薄化粧」にしておきます。どうせ修正が入ります。他の人でも直せるように必要以上に凝らないことも実作業では重要です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後手を踏まない

2005-03-19 20:31:55 | ブログ
 アクションを取る場合は、ともかく早く動くことが大事です。

 拙速はまずいのですが、かといって、今の環境下、十分考え抜いてから行動に移せるような時間的な余裕はありません。
 動きながら考えるのが普通になっています。早く手をつけるほど「うてる手は多い」のです。時間がたってゆくと未確定だった条件・環境が固まってきて選択肢が狭まってきます。もちろん、条件の確定により打ち手の具体化はしやすくはなりますが、それは絞られた環境下での打ち手に過ぎません。
 アクションが早ければ、その条件や環境を先手をうって変化させる可能性があったのです。

 後手を踏まず先取りのアクションを起こすためには、「危険予知能力」が重要です。

 「危険予知能力」といっても超能力者である必要はありません。普段から「アンテナ」を高く、自分に関係のある範囲の一歩先までを見渡した情報収集に努めることです。情報の有無が生命線です。

 また、いつも「業務」を「リアル」にイメージしておくことも大事です。
 業務を具体的に理解しておくと、同じ情報に触れた場合でも、その具体的反応に大きな差がつくのです。同じ刺激に対して「鈍感」なのと「条件反射的に反応」するのとでは雲泥の差です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BOOK -実践! MBAトレーニング新・ビジネス思考-

2005-03-16 00:34:59 | 本と雑誌

 懲りもせず大前氏のプロモーションブックを読んでしまいました。
 冒頭の数ページは、例のごとくのフレームワークの紹介ではありますが、それなりにコンパクトにまとまっています。

 本編は、受講者の発言集です。大前理論への賛同が多いのは止むを得ませんが、それなりに目先が変わっていて、まれに「なるほど」というコメントに遭遇します。

 この私のブログの内容よりは、はるかに内容は濃いものです。

実践! MBAトレーニング 新・ビジネス思考 (ボンド大学・BBT MBAプログラム)
大前 研一
PHP研究所


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BOOK -中国古典の人間学-

2005-03-02 00:09:00 | 本と雑誌

 中国の超有名な古典のあらすじ本です。

 断片的なエッセンスは得られますが、原本に即した一歩踏み込んだ解釈があるわけでもなく、著者の「・・・ではなかろうか」調のコメントが浅薄な印象を与えます。

 印象に残った箴言は、いくつかありますが、ひとつ挙げるとすると、韓非子の
  「下君は己の能を尽くし、中君は人の力を尽くし、上君は人の智を尽くす」
でしょうか。

完本 中国古典の人間学―名著二十四篇に学ぶ
守屋 洋
プレジデント社


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする