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一度読んだら絶対に忘れない物理の教科書 (池末 翔太)

2023-02-28 20:14:56 | 本と雑誌

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 私は、高校時代「文系」だったので授業で習ったのは「化学Ⅰ」と「生物Ⅰ」で、「物理」は履修していません。なので、今となってはとても心残りに感じていました。

 そういう背景があるので、「物理の入門書」と謳っている本書は一目で気になって手に取った次第です。

 なのですが、読み終えてみるとどうにも当初の私の目的はまったく果たされなかったようですね。
 高校物理が対象としている分野は一通りカバーしているとのことなのですが、それぞれの分野に関する各々の事象や法則、それらを著した数式(公式)が紹介されているだけとしか私には見えませんでした。

 むしろ「物理」をきちんと理解している人ならこういった解説方法の良さが分かるのかもしれませんが、正直なところ、私のような“ど素人”にとっては、単元が相互の連関もなく訥々と並んでいるだけで「だからなに???」といった印象でした。

 せいぜい私が興味を抱いたところを挙げるとすれば、「光の『二重性』(波・粒子)」についての解説ぐらいでしょうか。

(p235より引用) 光は「波動性」「粒子性」のどちらの性質も持っていることが現在では正しいとされています。
 これら2つは、合わせて「2重性」と言います。・・・
 光とは、私たちが「ある手段」で観測したときのみ現れるものであり、その「手段」によって「2重性」のいずれかの姿を見せてくれるものであると理解すべきなのです。

 「『波』でもあるが『粒』でもある」というのは、普通、誰であってもすっと腹に落ちるものではないでしょうが、こういうふうに説明されると、何となく「そんなものなのか」と思ってしまいます。

 まあ、とはいえ、実際はきちんと理解したわけではありませんから、やはり「物理」のさわりに触れるには、私の場合「高校の物理の教科書」か「参考書」でも読んだ方がよさそうです。

 

 

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〔映画〕ザ・アウトロー

2023-02-27 09:08:37 | 映画

 
 2018年公開のアメリカのアクション映画です。
 
 ジェラルド・バトラーが主演をつとめていますが、こういったワイルドな役は素直に彼のキャラクターにはまっていましたね。彼の場合は、あまり捻らない方が持ち味が発揮できるタイプだと思います。
 
 タイトルが今ひとつ響かなかったこともあり、ストーリーの方は全く期待していませんでしたし、批評家の評価はごくごく平凡とのことですが、最後のサプライズも含めて思いの外よかったです。私は結構楽しめました。
 
 とはいえ、“尻切れトンボ” 的なラストはちょっと消化不良。ただ、今後の企画もあるとの噂もあるようですから、まあ、こういうのもアリでしょう。

 

 

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〔映画〕サンダカン八番娼館 望郷

2023-02-26 12:47:06 | 映画

 

 1974年の公開ですから、もう50年ほど前の作品です。

 山崎朋子さんによる「大宅壮一ノンフィクション賞」受賞作「サンダカン八番娼館―底辺女性史序章―」を原作にした映画とのことですが、確かにとても見応えのある素晴らしい作品だと思います。

 テーマ自体すでに大いにメッセージ性のあるものなのですが、それを徒にセンセーショナルに扱うことなく訥々と物語を進めていきます。

 キャスティングもよかったですね、栗原小巻さんをはじめとして高橋洋子さん、水の江滝子さん、小沢栄太郎さん・・・、
 そして極め付きは田中絹代さん。ともかく素晴らしかったです。とても難しい役どころを微塵の厭らしさもなく見事に演じ切っていらっしゃいました。

 久しぶりに揺さぶられました。

 

 

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人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 (篠田 謙一)

2023-02-25 17:57:39 | 本と雑誌

 会社の大先輩がSNSで紹介されていて気になった本です。

 いつもの図書館に所蔵されていたので、さっそく借りて読んでみました。最新の遺伝子研究の成果から人類誕生以降の足跡を顕かにしようと試みた著作です。

 さっそく数多くの私の興味を惹いたところから、いくつか覚えに書き留めておきましょう。

 まずは、「ホモ・サピエンス」の起源に関する最新の研究成果です。

(p59より引用) ホモ・サピエンスの誕生については、20世紀の終わりまで支配的だった多地域進化説が、21世紀になって、「アフリカで20万年前に誕生したホモ・サピエンスが、六万年ほど前に出アフリカを成し遂げて、旧大陸にいたホモ・サピエンス以外の人類を駆逐しながら世界に広がった」とする新人のアフリカ起源説に取って代わられました。また、2010年以降には、ホモ・サピエンスが世界展開の過程で他の人類の遺伝子を取り込んだことが明らかになってい ます。

 このあたり、化石の形状や年代推定だけでなく、DNAやアミノ酸配列の分析に基づく研究の結果であり、アウストラロピテクス、ネアンデルタール人、ジャワ原人、北京原人、クロマニョン人ぐらいしか習わなかった私の学生時代の知見とは激変してしまっていますね。

 こういった大古の人類の探究以外にも、もっと時代が下り、私が「世界史」の授業で習い、より具体的活動が思い描かれるようなトピックにも「遺伝子研究」による新たな発見が見られます。

(p168より引用) 鉄器時代に当たる紀元前八世紀から前二世紀にかけてこの地域を支配した遊牧騎馬民族スキタイは、文化的には共通する要素を持つものの、地域によって遺伝的な構成が異なっていたことがわかっています。スキタイとしてまとめられるグループは、実際には遺伝的に異なる集団の連合体だったのです。

 その後ユーラシアステップに登場する「匈奴」「フン族」も、遺伝的に異なる地域集団の連合体だったとのことです。

 同様に、日本列島における「縄文人」と「弥生人」の分布に関する諸説の当否についても「遺伝子研究」の成果が活かされています。

 たとえば、まず日本列島に縄文人が拡散し、その後、中央部に弥生人が侵入したため北海道と琉球に縄文人的集団が残ったという「二重構造モデル」も最新の遺伝子研究によってその単純な立論は否定されています。

(p228より引用) 二重構造モデルは、大陸からの稲作文化を受け入れた中央と、それが遅れた周辺で集団の形質に違いが生じたと考えていますが、この発想からは周辺集団と他の地域の集団との交流の姿を捉えることができません。北海道の先住民集団の形成史は、日本列島集団の形成のシナリオに、複眼的な視点を導入する必要があることを教えてくれるのです。

 そして、「遺伝子研究からみた人類集団」についての篠田さんのとても重要な指摘です。

(p257より引用) ゲノムデータから集団同士の違いを見ていく際には、同じ集団の中に見られる遺伝子の変異のほうが他の集団とのあいだの違いよりも大きい、ということも知っておく必要があります。

(p258より引用) 遺伝子によって規定されるさまざまな形質や能力は、同じ集団の中での変異が大きいのですから、集団同士をくらべて優劣をつけることには意味がありません。

 さらには、こう続きます。

(p267より引用) こうした教科書的記述に欠けているのは、「世界中に展開したホモ・サピエンスは、遺伝的にはほとんど同一といってもいいほど均一な集団である」という視点や、「すべての文化は同じ起源から生まれたのであり、文明の姿の違いは、環境の違いや歴史的な経緯、そして人びと の選択の結果である」という認識です。

 こういった科学的な基本認識のもとに「多様な社会」の理解がなされるべきなのでしょう。

 本書を読むと、遺伝子分析によると「種」という区分は無意味であり、地域集団の差異は連続的な変化の一断面に過ぎないことが分かります。

 さて、最後に、私が本書を読み通して最も印象に残ったくだり、「脳容量の変化と社会構造」というコラムの一節です。ちょっと長いのですが引用しましょう。

(p25より引用) ホモ・サピエンスの脳容積は、誕生してこのかた増加していませんから、その後の歴史は、基本的にはダンバー数程度の理解力しかないハードウェアを使ってなんとか編み上げられたといえます。複雑な社会を形成するために生み出されたのが、言語や文字、物語、宗教、歌や音楽といった文化要素だったのでしょう。これらは人びとが時間と空間を超えて概念や考えを共有する重要な手助けをしています。現在では、大規模な通信ネットワークによってさらに多くの人びとがつながりあい、大量のデータが行き来するたいへん高度な社会環境に私たちは置かれています。自分の脳が処理できるよりもはるかに多量のデータにさらされる状況で、バランスの取れた情報処理ができず、社会の混乱が生じてしまっていることも、至極当然なことといえるのではないでしょうか。

 なるほどと首肯できる指摘ですね。
 別の言い方をすると、世の中の変化において「人間の思考」が影響するウェイトが減少しているということ、さらに言えば、現代は「人間の知性の相対的劣化」が日増しに進んでいるということかもしれませんね。

 

 

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〔映画〕渚のシンドバッド

2023-02-24 11:20:30 | 映画

 
 1995年の日本映画です。
 
 当時、こういったプロットの作品を世に問うのはなかなかチャレンジングだったかもしれません。
 今日のように“LGBTQ” が一定のポジションを得ている時代だと、逆にこういったトーンの作品は作れなかったような気もします。
 
 そういったメッセージ性を脇に置いて、シンプルに当時の“青春映画” として観ても、なかなか興味深いものでした。
 もちろん、その要因、この作品の大きなウリは「浜崎あゆみ」さんですね。まだ歌手デビュー前の彼女が主要なキャラクタのひとりとして出演しています。
 
 ちなみに「渚のシンドバッド」というタイトルは “謎” ですね。気になるのは大ヒットしたピンクレディーの楽曲とのかかわりですが、歌の方は1977年のリリースですし、内容的にもまったく関係ないようです。

 

 

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〔ドラマ〕火曜サスペンス劇場 新・女検事 霞 夕子 ペルソナ・ノン・グラータ

2023-02-23 08:24:55 | 映画
 テレビの人気シリーズ “火曜サスペンス劇場” の1994年放映の作品です。
 
 原作は夏樹静子さんの短編小説ですから、本格ミステリーというよりもテレビの視聴者向けにエンターテインメントに徹したつくりです。
 なので、犯行の手口も稚拙ですし、証拠もとても都合よく出てきます。当然ですが、そこを突っ込んでも何の意味もありません。
 
 シリーズですから、主人公のキャスティングは重要ですね。
 この “霞夕子シリーズ”、初代は桃井かおりさんとのこと。とても個性的でインパクトのある女優さんから引き継いでの本作の鷲尾いさ子さん、かなりタイプは違いますが、爽やか系で好感が持てます。
 
 思い切ったアサインですが、私はいいチャレンジだと思いました。

 

 

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ルポ 誰が国語力を殺すのか (石井 光太)

2023-02-22 12:55:26 | 本と雑誌

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の石井光太さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 石井さんの著作は、以前にも「ルポ 自助2020- ― 頼りにならないこの国で」という本を読んだことがあります。

 本書も前作と同様に、石井さんの現場に入り込んだ渾身の取材からの多面的な考察は刺激に富んでいて、なかなかに面白いものがあります。
 その中から、私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。

 まずは、序章で紹介されているエピソードです。
 国語の授業における今日の小学生が話す「ごんぎつね」の情景解釈は心底ショッキングでした。本書での石井さんの問題意識はここに始まります。

(p15より引用) そもそも学校現場で見られる子供たちの思考力の欠如や珍妙な解釈を、「読解力の低下」という問題だけに留めて考えていいのかということである。文章を正確に読んで理解する以前のところで、子供たちは何か大きなものにつまずいているのではないか。

 そして、ここ数十年の教育方針の迷走。「ゆとり教育」の失敗からの反動は、本質的な課題の解決とは全く異なる方向に進んでいるようです。

(p100より引用) 大学にせよ、産業界にせよ、彼らは彼らなりに、今の子供たちに必要な力を与えたいと考えて提案しているはずだ。子供たちが必要最低限の知識をつけて大学でスタートを切れるように、グローバル化や情報化の波に乗り遅れないようにと善意で行っているのだ。
 しかしながら、子供たちに国語力という基盤がなければ、砂上の楼閣だ。日本語でしっかりと物事を考えて表現できない人が英語で何を語ろうというのだろう。他者の気持ちに寄り添え ない人がプログラミングで何をつくろうというのだろう。今の日本の教育において盲点になっ ているのは、まさにこの部分なのではないか。

 国語力の劇的な低下の実態は、他人とうまくコミュニケーションを取れず社会的生活が営めないというレベルではなく、そもそも言葉を発すること自体できなくなり、言語によって考えるということすらできなくなっているとのこと。

 たとえば、ゲームにのめり込む“ネット依存”。奪われるのは「言葉」だけでなく「精神や身体の健康」にも及ぶのです。

(p212より引用) 依存症の子供たちは、ゲームの世界にしか自分の居場所がないと思い、言葉で考えることを止め、一方的に外の世界との間に壁を築いている。自分の身に異常が現れ、命の危険にさらさ れていることも気づかない。
 そんな子供たちを再び現実の世界に連れ戻すには、ゲームを物理的に奪うだけでなく、外の場所に居場所をつくらなければならない。陶芸でも運動でも何でもいい。何かしらのことを通して周囲から認めてもらい、それをつづける意欲を抱かせる。それによって他者とつながれば、その子の居場所ができるのだ。

 ネット依存からの脱出を目指し支援する動きも始まっています。ただ、ここでも“公”の動きはやはり緩慢です。

 さて、本書を読み通して改めて振り返ってみたとき、学校教育における「国語科」の位置づけや意味づけ、別の言い方をすると「国語を学ぶ意味」「国語養育の目指すもの」が、あまりにもファジー(あやふや)であり、それに関わる当事者の間でもバラツキがあることに思い至りました。

 「国語科」をすべての教科の中心に据えた教育を実践している日本女子大学附属中学校・高等学校。文庫本一冊を一学期かけて精読し、それを材料に、考え、書き、話す力を養う、そういったユニークな授業内容をつぶさに取材した石井さんはこうコメントしています。

(p295より引用) 読解力や表現力はもとより、チャレンジ精神や称え合う姿勢も身につく。生徒間のコミュニケーションは、ネットにありがちな安易な他者への攻撃とは対極に位置する豊かで優しいものになる。こうした能力は、社会に出た後に豊かな人間関係を構築するのに役立つ。

 2022年度、文科省が実施した新学習指導要領の変更では、契約書や企画書といった実用的文書の読解等による実用的能力の向上が目指されているとのことですが、それで子どもたちは独り立ちして生きていく力を体得できるのか、現在の社会的な課題が解決に向かうのか・・・。
 現下の教育現場において、社会の礎たる「人」を育てるという重要な使命をどうやって果たしていくのか、今の教育現場の取組みは、どうにも即物的かつ皮相的な営みに終始していうように思えてなりません。

 

 

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〔映画〕東京湾炎上

2023-02-21 12:22:18 | 映画

 今から50年近く前、1975年公開の日本の特撮映画です。
 
 ストーリーは「シージャック」がモチーフですが、テロリストの動機も計画も行動もとても稚拙で観ていてちょっと情けなくなります。
 
 他方、特撮の方は、懐かしいテイストでなかなか良かったですよ。「石油コンビナートの炎上シーン」が見せ場ですが、こういった “爆発・火炎もの” はお家芸ですね、見事に迫力のある絵になっています。
 制作スタッフには、田中友幸さん、川北紘一さんといった見たことのあるお名前が並んでいました。
 
 あと、勿体なかったのが金沢碧さん。紅一点のヒロインですが、せっかくの登場シーンも取ってつけたようで全く意味不明でした。映画初出演とのことですが、とても残念な使われ方でしたね。
 
 ちなみに、当時の劇場公開は「2本立て」の上映がふつうでしたが、本作の併映は「がんばれ!若大将」とのこと。とはいえ、“若大将”は加山雄三さんではなく、三代目の草刈正雄さんだったそうです。草刈さんも“若大将”をやっていたんですねぇ。

 

 

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〔映画〕クロスマネー

2023-02-20 08:37:19 | 映画

 
 スペインの「サスペンス」映画です。
 
 かなり変わったプロットなので、万人受けする作品ではないでしょう。
 
 私も、特にラストに向かってストーリー展開には、今ひとつついていけませんでした。
 結局、主人公はどうするつもりだったのが、どうなってしまったんでしょう。どうにも中途半端な終わり方だったように思います。
 
 あとは謎解きの暗号。これもかなり無理がありますね。単純な暗号キーですが、これに難なく気づく警官も不自然な感じです。

 

 

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歌枕殺人事件 (内田 康夫)

2023-02-19 11:54:43 | 本と雑誌

 かなり以前に読んだ内田康夫さん“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 今回は “宮城” です。宮城(仙台)は、今勤務している会社でも、以前勤めていた会社でも拠点があったので年に数回は訪れていました。

 ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品の主な舞台は「多賀城」
 仙台からそれほど離れていないので、光彦の活動拠点は仙台市内のホテルでした。ただ、モデルとなったホテルが推測できるような描写はありませんでした。
 その他に馴染みの場所が登場するかとちょっと期待したのですが、せいぜい「秋保温泉」ぐらいでしょうか。私は行ったことはないのですが、昨今は“おはぎ”が有名ですね。餡ときな粉と胡麻。出張の折、何度か頂きました。

 さて、ストーリーの方はといえば、いつものように急転直下謎解きに向かう展開ですが、今回は、推理のキレをはじめとして光彦の思考や行動には歳に不相応な“甘さ”や“未熟さ”が目につきましたね。そのあたり、どうにもスッキリしませんでした。

 あと、ヒロインについても、タイトルに掲げたモチーフに合わせてもう少し設定されたキャラクタを活かす工夫があってもいいように思いました。

 シリーズの中でも平凡な出来ですね。次に期待しましょう。

 

 

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〔映画〕闇の狩人

2023-02-18 10:52:58 | 映画

 1979年公開の映画です。
 
 池波正太郎の原作を監督五社英雄が主演仲代達矢で撮った作品です
 役者さんと映像にばかり気が行って、物語自体はあまり印象には残りませんでした。
 
 ともかく出演者は今からみると凄まじい面々です。
 仲代さんをはじめとして、原田芳雄さん、丹波哲郎さん、千葉真一さん、大滝秀治さん、東野英治郎さん、加藤嘉さん、そこに、懐かしい成田三樹夫さん、室田日出男さん、ハナ肇さん・・・。藤田まことさんや夏木勲(夏八木勲)さんも中堅どころで、梅宮辰夫さんも早々に画面から消えます。これだけ並ぶと、役所広司さんですら下っ端の子分役です。
 
 女優陣は、岸惠子さんと松尾嘉代さんのお二人がさすがの存在感。そこに、いしだあゆみさん、奈良富士子(水島彩子)さん、神崎愛さんと続きます。
 
 このころの日本映画は、いわゆる “銀幕のスター” の時代でしたね。

 

 

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〔映画〕ボルケーノ・パーク

2023-02-17 10:50:49 | 映画

 
 とてもありがちな“デザスター・パニック”映画です。
 
 中国映画ですが、監督はイギリスのサイモン・ウェスト。「トゥームレイダー」や「エクスペンダブルズ2」を撮った大物監督とのことです。
 
 とはいえ、作品としての出来は、まさに予想どおりというか予想以上に“温い”ものでしたね。
 ともかく災害シーンも火山の噴火なのでCGによるしかなく、映像での差異化はあり得ませんでしたし、ストーリーの方はといえば、平板でエピソードの工夫もありません。
 
 ラストのHappy Endは確かに想像を超えた?ものでしたが、いくらHappyでもあそこまで“ご都合主義”なのはどうかと思いますね。

 

 

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プリズン・ドクター (おおたわ 史絵)

2023-02-16 09:22:12 | 本と雑誌

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者のおおたわ史絵さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 刑事施設内という特殊な環境下での経験を綴ったエッセイはとても興味深いものがありました。それらの中から、私の関心を特に惹いたところをひとつ書き留めておきます。

 矯正医官として被収容者と診察を通して接する中で、おおたわさんが痛感した日本の医療の現状の一端です。
 犯罪を起こした後の「刑事責任能力」判定に係る医師としての虚無感。

(p103より引用) 犯人らの精神の異常をもっと早く正確に判断する手段はなかったのか?止められなかったのか?
 この問題を考える時、医師の立場からすれば少しでも治療に繋げていれば起こらなかった犯罪はいくつもあると感じる。・・・
 事件が起きてからでは遅い。未然に医療が介入できる仕組みが必要だ。諸外国では薬物乱用や病的窃盗、性犯罪などには再犯防止のための治療を受ける義務を課しているところもある。
 だが日本はまだまだそこまで及ばない。 異常性の治療は本人の意思にまかされている。
 一日も早く、この国も変わらなければいけない。

 本書には、矯正施設に収容されている人たちの様々な実態が紹介されています。おおわたさんが施設内や診察現場で直面したものもあれば、問診の過程やカルテの記載で聞き知ったこともあります。
 それらは、彼ら彼女らが収容されるに至った背景・経緯等にも及び、そこに存する理不尽さ、すなわち、“必ずしも被収容者本人だけの責に帰すべき帰すべきものではない要因”には心が痛むところも少なくありません。

 「格差」「貧困」「病気」「教育」「外国人労働者」「人間関係」・・・、“自己責任”というにはあまりも酷な “公の無策” が際立つ現実。

 ここにも「劣化に向かう日本社会」の姿が明瞭に見えているように思います。

 

 

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〔映画〕ブラッド・スローン

2023-02-15 15:08:19 | 映画

 
 地味で抑圧されたトーンの“サスペンス”映画です。
 
 出演している役者さんたちもメジャーではないのですが、各々なかなかに渋く、演技にもリアリティがありました。
 
 こういう状況化でここまで思い切って自らを変えることができる主人公はまずいないとは思いますが、その分、ストーリーにはオリジナリティがあったように思います。
 映画の作りも、現在進行形のシーンと過去の経緯をたどったシーンとを並行に見せることにより、主人公の変貌ぶりをうまく描いていました。
 
 最終的には “家族の絆” を大切にする価値観が根底にあるので、凄惨な画面に反してそのメッセージ性には共感できるところがありますね。
 
 観る前は全く期待していなかったのですが、ちょっと気になる作品でした。

 

 

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〔映画〕ザ・ボディガード

2023-02-14 12:04:43 | 映画

 
 これもよくありがちなプロットの “サスペンス映画” です。
 
 登場人物の善悪もはっきりしていてストーリーも平板、作品としてはストレートに“並”の出来なのですが、かえって、そのつくりのベタさ加減が結構私にはハマりました。
 
 想像どおり専門家の評価はかなり低いようですが、こういった映画には珍しい “暖か系のラストシーン” も含め、私としての印象はgoodです。
 
 渋いサム・ワーシントンの朴訥さと華のあるオデイア・ラッシュの気丈さとのコントラストもよかったですね。

 

 

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