OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

あなたのルーツを教えて下さい (安田 菜津紀)

2022-07-31 10:47:15 | 本と雑誌

 

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 フォトジャーナリストの安田菜津紀さんによるルポルタージュです。
 「格差」「分断」が際立つ今日、この本が取り上げた人々の姿は、私たちが知らなくてはならないこと、しっかりと目を向けなくてはならないものばかりですね。

 今の社会には、こういった“分断や差別”の実態を「知る」方法は数多くあります。それだけに、それらの場に提供され私たちが見聞きできる情報は “玉石混交” です。事実もあれば、フェイクもあります。
 ネット社会になって、テレビ・新聞といった旧来型の「マスコミ」はその存在意義が問われていますが、雑誌やネットを舞台にした「フリージャーナリスト」と自ら称する人々も、また様々です。さらに、様々な意図をもった人々も情報提供者・情報拡散者として登場しています。

 こういった新たな社会環境のもと、“分断や差別”に目を向ける「メディア」の姿勢について、安田さんはこう語っています。

(p156より引用) 私たちメディアはいつも、差別の矛先を向けられた側に「どう思うのか」と言葉を求めがちだ。もちろん、その声を大切に報じることも時に必要だろう。ただ、差別は社会的マイノリティ自身の問題ではなく、マジョリティの態度がどう変わっていくかの問題だ。マイノリティの声を消費し続けるのではなく、マジョリティ自らが変わっていくための報道が、益々求められているのではないだろうか。

 この点、私も言われるまで、この「視座の転換」「ウェイトの逆転」の重要性に気づきませんでした。なぜこんな“基本的な立ち位置”を意識できなかったのか・・・、情けない限りです。

 それでも、差別される側にあるカメルーン出身の星野ルネさんからは、こんな前向きな言葉もありました。

(p183より引用) 「自分の言ってること、やっていることが、相手に与える影響がよく分かってないケースもあると思うんです。それを急に〝お前、差別主義者だ"って言われるとびっくりしちゃいますよね。その一歩手前で情報共有すれば、〝ああ、こういうことはあんまり言わない方がいいんだな"って考えられるし、受ける側も〝悪意があって言ってる人ばっかりじゃないんだな"って分かる。そうやってお互いちょっとずつ、クッションを持てるんじゃないかと思うんです」

 んんん・・・、こういった態度は本来、私たちからとるべきなんですね。

 そして、本書の最後の章は「なぜ、その命は奪われたのか? ウィシュマさんの生きた軌跡をたどって」。2021年3月6日、名古屋出入国在留管理局の収容施設で来日していたスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が亡くなりました。

(p283より引用) 国際機関から受けてきた数々の指摘を、入管庁が振り返り検証した形跡はない。
 「最終報告書」の中でも、入管のいびつな収容のあり方を端的に表しているのが、ウィシュマさんの仮放免を不許可にした理由だ。《一度、仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国を説得する必要あり》などという記載があるが、指宿弁護士は憤りをもってこう指摘する。「長期収容による身体的、精神的苦痛を与えて、意思を変えさせ、国に帰らせることを"何が悪いのか"と開き直っていますが、これは拷問です」。同じく遺族代理人を務める髙橋済弁護士も、「閉じ込めて音を上げさせて帰らせる、というマインドから抜け出さない限りは、日本社会は“先進国”と肩を並べるような状況にはたどり着けないでしょう」と続けた。

 この悲劇的な事件については、書き留めておくべきことはそれこそ山ほどあります。
 何をどう考えればこんな行動を為そうという気になるのか、いったいどんな神経で人に対してこんな仕打ちができるのか、何を守るために起こったことを隠し葬り去ろうとするのか・・・。名古屋入管は決して許すことのできない “異界”でした。

 これに類する実態は、名古屋入管だけにとどまらず、今の社会機構のなかの様々な場面に根強く残っています。根本は、人ひとりひとりの「心」「意識」の問題ですが、そこに踏み込まないまでも、「社会規範(法律等)」の変更で少しでも改善することはできるはずです。

 ただ、その法改正も「改正すべき」「改正しよう」という“人間の意思” が起動しなくては実現しない、結局は詰まるところ「意識」の問題に立ち戻ってしまう、このジレンマが悩ましいのです。

 

 

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〔映画〕アイアンマン2

2022-07-30 08:26:49 | 映画

 
 ちょっと前に「アイアンマン」を観たので、その流れで「続編」にもトライしてみました。
 
 しかし、この2作目の劣化は筆舌に尽くしがたいものがあります。シリーズとしての進展が全く感じられません。
 
 本作品について強いて何か語るとすると、新たなヒロインとしてのスカーレット・ヨハンソンの登場と最後の「マイティ・ソー」へのつなぎシーンに意味があったというぐらいです。
 
 結局は「アベンジャーズ」シリーズとしてのパーツ合わせということでしょうか。そうだとするとかなり残念ですね。

 

 

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〔映画〕地中海殺人事件

2022-07-29 09:53:54 | 映画

 
 ちょっと前に「ナイル殺人事件」を観ているのですが、それに続いてのアガサ・クリスティ原作の「エルキュール・ポアロ」シリーズです。
 
 こちらも睡魔との闘いが大変でした。1回目は、かなり観ながら寝てしまったので途中でやめて、改めて観直しました。それでも結構危なかったですね。
 
 もちろん、ミステリーとしてのストーリーやトリックは流石にかなりしっかりと作り込んであったと思います。これでもかという伏線とその回収、最後の英語とラテン語の絡繰りあたりは、ヨーロッパの方々なら気づくのでしょうか?
 
 ただ、この作品も、物語が進行するテンポがダメなのか、セリフ回しが合わないのか・・・、私の感性はやはり受け付けなかったようです。
 何はさておき、「犯行の動機」はとても単純です。この設定の貧弱さの割に「犯行の段取り」があまりに凝り過ぎているところにアンバランスを感じるのかもしれません。

 

 

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〔映画〕アイアンマン

2022-07-28 08:21:46 | 映画

 
 ちょっと前に「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」を観て、キャプテン・アメリカ誕生の経緯を振り返りました。今回は「アイアンマン」の第1作目です。
 
 キャプテン・アメリカは単純なヒーロー優等生ですが、こちらの方はひと癖もふた癖もあるヒーロー。
 そのあたり、ロバート・ダウニー・ジュニアが見事に演じていましたね。“ちょっと不良な億万長者” というプロットはありがちですが、この手の役どころは彼にピッタリです。
 
 あとは、グウィネス・パルトロー。クールビューティーな姿はとても魅力的で華やか、画面に映えますね。
 
 さて、この作品、ストーリー自体は特筆するようなところはありませんが、売りは、やはり「アイアンマン」という尖ったキャラクタでしょう。ダサいネーミングと対照的に、インパクトのある造形、精緻なメカニズム、観ていてもワクワク感があります。

 

 

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〔映画〕あずみ

2022-07-27 08:56:27 | 映画

 

 公開は2003年なので、20年ほど前の作品です。
 とはいえ、出演している俳優さんたちのかなりの方々は、いまでも現役で活躍されています。

 さて、この映画ですが、原作は小山ゆうさんによる大人気コミックです。私も2・3度読み通していますが、独特の世界観を描いた大作なので、正直その作品を実写化するというのはとてつもない挑戦だと思います。
 まずは「その心意気や良し!」ということですね。

 で、出来上がった「映画」を素直に評価してみると、予想どおり、やはり “荷が重過ぎた” という印象は否めません。

 原作のコミックを読んでいる人からみると、その映画での物語は、長大な展開の極く一部を切り出した不自然なものだと感じるでしょうし、原作を知らない人からみると、その映像は、意味不明の使命感を抱いた登場人物たちの乱闘シーンの継ぎ接ぎを見せられたという感覚だと思います。

 やはり「あずみ」はコミックで楽しむのが一番です。

 

 

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エリートと教養-ポストコロナの日本考 (村上 陽一郎)

2022-07-26 10:12:29 | 本と雑誌

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 村上陽一郎氏単独の著作としては、かなり以前に「やりなおし教養講座」を読んで以来になります。
 私が教養学部の学生のころ(今から40年以上前)からすでに有名な先生でしたね。その村上氏が語る“教養”“リベラル・アーツ”論だと聞くとちょっと気になります。

 政治エリートや官僚の劣化、反知性主義の隆盛等で、日本社会の退潮傾向が日に日に顕著になってきている今日、“教養” をテーマにした村上氏の論考の中から私の興味を惹いたものをいくつか書き留めておきましょう。

 まず、教養を形作る要素として「コミュニケーション能力」をあげる村上氏は、その能力を高める「自己の形成」についてこう語っています。

(p56より引用) 自分の個を築くということは、自分をコンクリートでがちがちに固めてしまうことではありません。全く反対です。自分に対して、自分が求めるものを高く持することは、他者もまたそれを実行していることへの敬意を意識し、その敬意に基づいて、他者の位置へ一時的に自分を移してみるだけの余裕・ゆとりを自分のなかに持つための力を、自分に与えてくれます。そんなことを言えば、自分が自分の個を意識することができる出発点には、他者の存在が不可欠なのです。自己の形成は自己だけの孤独な作業では断じてありません。

 ここで語られたような相対的・シナジー的な営みができることが「教養がある」という要素のひとつなのでしょう。

 そしてもうひとつ、「教養」という学問をテーマにした議論から。

(p97より引用) 人間を対象にした知的探求と、自然を対象にしたそれとの間には、自ずから基本的な差異が生じるのは、別段批判すべきことではなく、まして非難の対象になることではないでしょう。
 だとすれば問題は、文系と理系の区別・分離ではなく、むしろそうした系を固定化し、専門化することにあるのではないでしょうか。つまり、「教養」という現代における概念が主張しようとするのは、よく言われる「文理融合」なのではなく、「反専門化」と言うべきなのではないでしょうか。

 “教養教育”を「専門の領域だけに視線を固定化してしまうことから抜け出すための教育」と位置づけるという考え方です。この主張には納得感がありますね。

 さて最後に、本書を読み通しての感想です。

 私が迂闊にも気づかなかったのかもしれませんが、村上氏は、本書で「教養とは〇〇である」といった端的な定義は示していません。「政治」「コロナ禍」「エリート」「日本語」「音楽」「生命」といったそれこそ多様な切り口から“教養”が関わる場面を取り上げて、そこに現れた教養の在り様の一側面を自在に語り伝えているように思われました。

 その点では、様々な“教養”の現出シーンをモチーフにした“村上流エッセイ”といった趣も感じられる不思議な著作でしたね。

 

 

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〔映画〕キングダム

2022-07-25 10:05:58 | 映画

 
 2年前に一度観ているのですが、そのときの印象は「最低」でした。
 
 今回は、続編が封切りされて再び話題になっていることと、1作目で映画化されたパートまでアニメでのチェックが追いついたということもあって観直してみました。
 
 結果は・・・、よかったですよ。
 登場人物のプロットについてはアニメで理解できていたので、まったく違和感なく楽しむことができました。
 
 映画の方は、かなり原作に忠実で、特にキャスティング面では、アニメのキャラクタのイメージを最大限尊重していました。
 河了貂の橋本環奈さん、楊端和の長澤まさみさんをはじめ、ムタの橋本じゅんさんもヒットです。あとは、何といっても、王騎の大沢たかおさん。これはアニメを観ていないと、この配役の見事さはわからないかもしれません。
 
 ただ、一点付言するなら、前回観たときのように「原作の事前情報がないと、作品としては今ひとつの印象だった」という事実は、本当は致命的にマズイということですね。

 

 

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〔映画〕キャラクター

2022-07-24 09:22:15 | 映画

 
 私にはまったく合わなかったですね、このテイストは。
 
 いわゆる “サイコスリラーもの” ですが、プロットもストーリー展開も無理筋でかなり雑でした。ビジュアル的に表現するとしても「コミック」か「アニメ」どまりでしょう。
 
 この作品のような過度に刺激的な「映像」はダメだと思います。ましてや映画館の大画面で観るのだとすると勘弁して欲しいですね。 センセーショナルなシーンばかりで、せっかくの菅田将暉さんもまったく光っていません。
 
 こういう演出でしかアピールできないのなら、そもそもの素材の出来がイマイチということです。

 

 

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〔映画〕キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

2022-07-23 11:11:12 | 映画

 
 ちょっと前に「アベンジャーズ」を観たのですが、本作品の方が数か月早く公開されていて、時系列的にも「前日譚」ということになります。
 
 「キャプテン・アメリカ」はマーベル・コミックの中では比較的地味なキャラクタなので、ほとんど期待していなかったのですが、軽めのエンターテインメント作品としてはまあまあ楽しめました。
 
 一本調子な素直なストーリー展開で少々物足りなさは感じました。
 ですが、「キャプテン・アメリカ」誕生のイントロダクションとしては良かったと思いますし、適度に伏線的エピソードが配置されていて、後に続く「アベンジャーズ・シリーズ」への橋渡しとしての役割もうまく果たせたようですね。

 

 

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〔映画〕陰謀のスプレマシー

2022-07-22 10:25:17 | 映画

 
 地上波放送を録画していたので観てみました。正直 “予想どおり” 、平凡な作品です。
 
 ためにするような不自然なプロットと、「父娘モノ」のアクション映画にはつきものの “娘の暴走によるトラブル” といったお決まりのストーリー展開で、出演者のグレードの割には “今ひとつ感” が強かったですね。
 
 また、キャスティングの華であるはずのオルガ・キュリレンコの役どころもパッとせず、彼女の魅力は全く発揮されていません。これも大いに残念なところでした。

 

 

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海外メディアは見た 不思議の国ニッポン (クーリエ・ジャポン (編集))

2022-07-21 11:25:52 | 本と雑誌

 

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 日本が“先進国”と言われていたのはもう昔の話でしょう。社会状況を表す様々な指標を国際比較すると、むしろ “日本の後進性” が際立ちます。

 本書は、海外の記者が感じる数々の「日本社会の特殊性」を紹介したものです。
 取り上げられたテーマをいくつか書き連ねてみましょう。

・なぜ日本人は銀メダルでも謝罪するのか
・なぜ日本の政界は世襲政治家が多いのか
・“ファックス”をやめられない理由
・日本の会社員を縛る義理チョコはなぜなくならないか
・「居眠り」は勤勉の証!?
・日本で年功序列が続く理由ーなぜ年上が「エラい」のか
・日本人の自殺率はなぜ高い
・「日本の老舗」の生存戦術
・なぜ日本の若者は「内向き」になってしまったのか
・なぜいつまでも女性スポーツ選手に「女らしさ」を求めるのか
・日本の若者の投票率はなぜ低いままなのか

 なかなか興味を惹くような「お題」もありますが、読んでみると、正直なところ、論考としての説得力には今ひとつの感がありました。
 たとえば「日本で年功序列が続く理由」について解説した記事では、こういった分析が紹介されています。

(p73より引用) 日本で年配男性が覇権を握っているのは、日本の人口動態の影響も考えられる。日本の全人口の4分の1以上が65歳以上の高齢者で、これは世界で最も高い割合だ。・・・ 日本では、年齢こそが他のあらゆる素質を上回る最大の物差しとみなされていることが多いのである。・・・
 日本で年功序列制度が続いているのは、安心感が得られるからだ。 労働者たちは、年功序列制度をキャリアの道しるべとしている。さらに、彼らは子供の頃から年齢による上下関係を徹底して教え込まれているのだ。

 確かに表層的な現象はそういった面があるとは思いますが、高齢者の割合がそれほど高くなかったころはどうだったのか? 今の教育も上下関係を重んじるよう教えているのか? 年功序列制度が続いている理由は「安心感」が最大か?企業側の管理上の理由もあるのではないか? 等々、もう少ししっかりと掘り下げた考察が欲しかったですね。

 強いて面白い指摘だと感じたものを挙げるとしたら、最後の章「第5章 日本の深奥」、“海外メディアが日本の皇室をどう見ているか” が語られているパートでしょうか。
 そこでは、海外記者と同様に私も違和感を感じるエピソードもあれば、知らなかった事実やいつもとは違う立ち位置からの新鮮な指摘も紹介されていて、まあまあ刺激になりましたね。

 

 

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〔映画〕ロスト・シティZ 失われた黄金都市

2022-07-20 12:34:26 | 映画

 
 基本的にはストーリーについての事前情報なしで見る映画を選んでいるので、観始めて「おやっ」と思うことが時々あります。
 
 その点では、この作品は完全に予想外でした。
 タイトルから想定して、よくありがちな「秘境探検ファンタジー」の類かと勝手に思っていたのですが、原作はノンフィクションなんですね。
 
 一人の探検家の伝記を映画化したもので、ストーリー展開や映像も結構しっかりとした作品でした。
 時代背景や伝えたいメッセージも丁寧に作り込まれていて見応えは充分です。

 

 

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〔映画〕エアポート'75

2022-07-19 10:26:08 | 映画

 
 1974年公開ということなので、もう50年近く前の作品です。
 
 チャールトン・ヘストンやジョージ・ケネディが出演している割には、正直、かなり安っぽい作りですね。まあ、当時はCGもない頃なので、この手の映像に迫力あるリアリティを与えるのは難しいのでしょう
 
 ただ、物足りないのは映像だけではありません。それぞれの乗客にまつわるエピソードも特に活かされることもなく、トラブルの解決方法もとても雑です。ここまで手を抜いてしまってはダメですね。
 
 唯一の救いは、日本語版吹き替えの声優さん方の豪華さ。こちらはレジェンド勢揃いです。

 

 

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〔映画〕夜の来訪者

2022-07-18 08:32:50 | 映画

 
 イギリスBBC制作のサスペンス映画です。
 
 適度な捻りが効いたストーリー展開で、しっかりした原作ですね。
 
 もちろん家族全員が関係者であるというプロットは完全に恣意的な建付けですが、それを見え見えの前提にした上で、グイグイと見せていく作りは外連味がなくていいですね。
 キャスティングも、登場人物の役どころや性格にマッチした役者さんたちを配していてよかったですよ。
 
 ラストは、いったん立ち止まらせたあと、結局は元の通りに収斂させていく、そして最後の最後まで「謎」は残す・・・、なかなか秀逸な作品だと思います。

 

 

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〔映画〕宇宙でいちばんあかるい屋根

2022-07-17 10:49:11 | 映画

 
 原作が出版されたのは2003年とのことなので、映画化までにかなりの歳月を経ていますね。
 
 邦画特有の “ゆるゆる”の物語です。私はこういった作品は嫌いではないのです。
 
 ちなみに、清原果耶さんにとっては映画初主演の作品らしいのですが、彼女の露出度からいえば「初」という感じはしません。
 このくらいの年齢の役はまだ素のままで軽々とできるでしょうから、今後、どういったテイストの作品で存在感を見せていくか楽しみな女優さんですね。
 
 共演の桃井かおりさんは、久しぶりに目にしました。
 んんん・・・、こちらは適役という気もしますが、キャラが樹木希林さんと微妙にダブルところがあってちょっと悩ましかったというのが正直な印象です。樹木さんと比較すると、ばぁ(老婆)を演じるには、まだまだ “若々しさ?” がかなり残っているんですね。

 

 

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