北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

北電に「厳しい指摘」と「重い宿題」 ~規制委審査会合~

2019-10-25 | 志賀原発




志賀2号機の新規制基準の適合性を審査する原子力規制委員会の審査会合が本日(10月25日)13時30分から開催された。



活動性を評価する断層の選定はまだすべてを完了していないが、陸域部は10本の断層中6本(上図S-1、S-2・S-6、S-4、S-5、S-7、S-8)に絞り込まれている。
今日の評価会合はこの6本の活動性を議論するスタートの会合だったが、北電にとってはまたまた厳しい内容となった。

活断層かどうかを判断する手法として上載地層法と鉱物脈法がある。
石渡明(原子力規制委員会委員)「鉱物脈法による断層活動性評価について」参照

すでに地層を削ってしまっていて上載地層法を用いることができない断層もあるので、北電は今日の会議の冒頭、上載地層法と鉱物脈法の組み合わせで活動性を否定するデータを示していく方針を示した。



約1時間の説明を終え、規制庁からのコメントや質問が出される。
資料の矛盾の指摘や資料の再整理を求める意見が出されたが、前半は概ね記載内容を確認する質疑が淡々と続く。
そこに谷審議官からS-1断層の活動性評価を巡って単刀直入の要望が飛び出した。

S-1断層を巡っては「これぞまさに活断層」と指摘された旧A-Bトレンチのスケッチ図が存在する。
北電は有識者会合の審査過程で、旧A=Bトレンチの南東側の新たな断層データを示して活動性を否定しようとした。
確かに南東側は動いていないとみられるが、S-1断層の北西部だけが動くこともあることから、結果としてS-1の活動性を否定するには至らなかった。
今回北電は旧A-Bトレンチにほど近い南東部のボーリングの鉱物脈法データを示し活動性を否定する方針で臨んできた。
しかしそれではダメ、あくまで旧A-Bトレントの北西側(1号機原子炉建屋側)の確実な物証の提示を求めたのだ。
提出できるものならとっくの前に提出している。
北電は出せないのだ。
北電は今日のところ、「検討する」としか答えられなかった。
さあ、どうする。
いきなり重い宿題が投げかけられた。



鉱物脈法を巡っても厳しい指摘が続いた。
北電が示した粘土鉱物の組成データを巡って、「こんな組成の粘土ってあるの?」「ちゃんと分析しているの?」と内藤調整官。
しかしこの言い方はまだやさしかった。
石渡委員からは「粘土とは思えない」「分析がおかしい」「ふつうはこんなデータなら出さない」と厳しい指摘がぶつけられた。
活動性を否定するための地質分析だが、入り口段階で北電はいきなりコケてしまった格好だ。

次回、どのように修正するのか、あるいはあらたなデータを出してくるのかわからないが、「活動性を否定する明確な証拠」を要求する規制庁に対して、間違いなく北電のいばらの道は続く。





コメントを投稿