北國新聞 8月12日(夕)
北陸電力は今日(8月12日)午後、原子力規制委員会に対して志賀原発2号機の新規制基準の適合申請をおこなった。合わせて石川県と志賀町に対して、安全協定に基づき原子炉設置許可申請について協議を申し入れた。
フクシマの収束の目途はまったく立たず、事故の状況や原因も明らかにされず、放射性廃棄物の保管・管理の計画もなく、まさに原発の存在自体が問わ続けているなか、北陸電力は再稼働に向けて大きく踏み出した。
とりわけ施設直下の断層問題について、北陸電力は規制委員会有識者会合に議論の前提となる調査資料さえまともに提出できていない中である。自らの置かれている立場すら理解できていない。
住民の安全お構いなし、非常識ここに極まれり、そんな北陸電力の企業体質が露わになった一日だった。
さよなら!志賀原発ネットワークは明日、石川県と北陸電力に対して申請に抗議し、取り下げるよう緊急の申し入れをおこなう。
上記新聞報道に関して若干のコメントをしたい。
規制委員会には北電の常務(名前はしらない)がおこなった。
原子炉設置許可申請について、石川県に対して安全協定にもとづく協議の申し入れをおこなったのは久和社長である。
変!
普通は社長が規制委員会に行くもんだろう。
県の対応は安管協会長とはいえ竹中副知事だから堀副社長か金井副社長だろう(お盆休みでいなかった?)。
すでに規制委員会の審査はOK!県は住民の反対を押さえつけるために頑張ってくださいよと社長がじきじき行ったようなものだ。
竹中副知事は「県としては原発敷地内の断層問題の決着を最優先に考えたい」と答えたとのことだが、本気で断層問題を最優先に考えるならこういう県民の安全無視の設置許可申請の協議は「順番ちごうやろ!なに考えとるんだ!」と北電を一喝して突き返すべき。
県民の命がかかった問題だという認識がまったく感じられない。
新規制基準の「適合性確認申請」(と北電すら言っている)の内容については今後、各方面から次々と批判の嵐だと思われるが、差止訴訟との関係について若干述べておきたい。
被告北電は提訴以降のこの2年余り、露骨なまでの審理の引き延ばし戦略に終始してきた。
その理由としたのがこの適合審査の申請だった。それまで待ってほしいというのだ。
もうそのような言い訳は裁判長にも通じない。一気に訴訟は進展する。
特に基準地震動を1000ガルとしたことは注目される。
1000ガルで大丈夫なのか(大丈夫でないことをこちらはすでに主張している)、1000ガル以下なら安全は担保されるのか、これも無理。
申請内容の批判はどれだけでも可能だが、それ以前に再稼働ありき、断層なんてごちゃごちゃ言うな!という企業体質こそが県民の厳しい批判にさらされるだろう。
あと一点、マスコミ報道について。
北國新聞だけでなく北陸中日新聞も、そしてテレビ局(北陸放送、北陸朝日放送、石川テレビ、テレビ金沢、NHK)もすべて「安全審査」である。
規制委員会は志賀2号機の安全は審査しないし、できない。
大政翼賛会のごとく北電すら使っていない表現で再稼働のお先棒を担ぐのは止めていただきたい。
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