北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

フル活用 電源立地掲示板

2014-04-09 | 雑感


珠洲市内には200ヶ所くらいだったと思うが、こういう立派な掲示板がある。
「電源立地広報安全等対策事業」
つまり原発推進のために資源エネルギー庁の予算でつくられた掲示板である。

当時はこの掲示板だけでなく推進・反対両派の看板、電力会社の立地事務所や電力会社の「アメ玉」でつくられたプチハコモノなど、原発問題に関わる様々な施設が市内に数多くあり、視察ツアーを組めるほどであった。

原発計画が終わって10年と4カ月余り。
私は29年間に及んだ原発計画を忘れず、教訓を考え続けるためにもできるだけ看板類は残すべきだと思ったが、推進・反対の対立の溝を一日も早く埋めようという機運が強く、ほとんどの施設も看板もなくなってしまった。

いまではこの掲示板が珠洲に原発計画があったことを物語る数少ないモニュメントである。
これ以外で残っているものといえば寺家、高屋のキリコ収納庫、そして寺家の予定地内の民家の壁面に残る「原発反対」の文字くらいか。
といっても寺家のキリコ収納庫には資金を出した中部電力の文字すら入っていない。
計画終了後の地元へのお詫びの意味合いでつくられたからである。

この掲示板も、いまとなってははほとんどの人の目に「電源立地」の文字は映っていないかもしれない。
掲示板は残っていても地区によっては「電源立地広報安全等対策事業」の文字を黒く塗りつぶしているところも多い。

今となってはご覧の通り、地域の様々な行事案内や連絡用にご覧のようにフル活用されている。

溝が埋まったという意味では喜ぶべきこと。
ただ、志賀原発はじめ国内外に多くの原発が残っていることまで忘れられては困るが・・・ 


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