北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

強襲揚陸艦おおすみ

2014-01-15 | 平和
 海上自衛隊艦船と釣り船の衝突、釣り船に乗っていた2人が心肺停止という痛ましい事故が起こった。
 事故原因は今後、海上保安庁の下で解明されていくと思うが、報道を聞いていておやっと思うのは「輸送艦おおすみ」という紹介だ。

 おおすみは機能的には強襲揚陸艦。
 ヘリを搭載して上陸作戦をおこなえる艦船だ。

 「専守防衛」を建前とする自衛隊がなぜ上陸作戦を敢行できる艦船を保有できるのか。

 近年は新たに離島防衛などを理由に保有を正当化する動きもあるが、予算計上段階から憲法との関係で議論があった艦船である。

 この「おおすみ」はいま、オスプレイを格納できるようにするための大規模改修が計画されている。
 
 このことは下記の記事にあるように海兵隊的機能の整備が「実戦モード」に移行したことを意味する。

 以下、毎日新聞2014年1月8日の記事

 防衛省:輸送艦を大規模改修へ オスプレイも格納

 防衛省は、昨年のフィリピン台風災害などで救援物資輸送を行った海上自衛隊の「おおすみ10+件」型輸送艦について、2014年度から大規模改修に着手する方針を決めた。陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機オスプレイや水陸両用車との共同作戦を円滑にできる態勢を整備するためで、陸自との連携強化のための海自艦艇の大掛かりな改修は初めて。中国の活動拡大で離島防衛の重要性が増していることから、実質的な海兵隊的機能を備える狙いだ。

 おおすみ10+件型輸送艦は昨年11月のフィリピン台風災害で被災地の近くの海上に停泊し、艦尾のスロープから発進させた小型艇で救援物資を輸送。11年の東日本大震災でも物資輸送を行った。離島防衛のための水陸両用作戦では陸自部隊の輸送の主力を担うと見込まれているが、水陸両用車を積むとスロープが滑りやすいため自力で上って艦内に戻れない。また、陸自の輸送ヘリコプターを格納するには翼の取り外しが必要で数日かかるなど、十分対応できないのが現状だ。

 このため防衛省は、水陸両用車が艦内に戻れるよう▽スロープへの滑り止め塗装▽船を後方に傾ける機構の追加−−を計画。現在3隻保有する同輸送艦の改修に向けた調査・設計などに14年度は3億円を計上した。またオスプレイ10+件は翼を折り畳んで艦内に格納できるが、離着陸の際、翼の下に高熱を放つため、甲板塗装の耐熱性強化を検討する。

 陸海空3自衛隊は従来、どのような装備を持つかを「縦割り」で決め、他の自衛隊との連携をほとんど考慮してこなかったが、離島防衛の重要性が増したことで海自艦艇が陸自部隊を輸送する場面が増えるなど、3自衛隊の連携の必要性は高まるとされる。防衛省幹部は「輸送艦の改修を、縦割り解消に向けた第一歩としたい」としている。【青木純】


 以下、産経新聞2013年8月24日

 海自輸送艦を大幅改修 4億円要求 離島防衛に本腰
 水陸両用車やオスプレイ搭載可能に


 防衛省は23日、離島防衛・奪還作戦のための「海兵隊的機能」として、海上自衛隊の「おおすみ」型輸送艦(基準排水量8900トン)を大規模改修する方針を固めた。隊員を乗せて前線に進出する水陸両用車や垂直離着陸輸送機オスプレイを搭載可能にする。平成27年3月に就役予定の新型ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」(同1万9500トン)に水陸両用戦の「司令塔」機能も持たせる。

 これらの改修は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で挑発を繰り返す中国を念頭に、離島防衛と占領時の奪還作戦の実効性を担保する措置で、海兵隊的機能の整備が「実戦モード」に移行したことを意味する。今月末に締め切られる26年度予算案概算要求に設計費など4億円を盛り込む。

 防衛省は27年度にもオスプレイを導入。水陸両用車「AAV7」も今年度予算で取得する4両に続き、26年度概算要求では新たに派生型の2両の取得も盛り込む。派生型は指揮通信型と回収型の2種類で、この導入も実戦を見据えたもの。

 オスプレイとAAV7の「母艦」となるのが、計3隻ある「おおすみ」型輸送艦。艦内でオスプレイを移動させられるよう格納庫と甲板をつなぐエレベーターを改修、甲板に耐熱用の塗装も施す。AAV7については発進用に船尾のハッチを改修し滑り止めの塗装を行うことも想定している。

 26年度は主に設計を行い、27年度以降に順次、改修を進める考え。

 一方、就役すれば海自最大の護衛艦となる「いずも」には電子会議装置などを整備し、水陸両用戦の司令部に位置づける。

 防衛省は陸自に「水陸両用準備隊(仮称)」も創設する方針。AAV7の運用研究などを通じ、離島奪還作戦のノウハウを習得し戦闘能力を向上させる。

 


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