北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

いまどきのマルクス社会学 ~橋本健二君の活躍から~

2014-02-12 | 雑感
 

たまたまFBで紹介されていたビジネスジャーナルの記事に目を通したら「橋本健二」の名が・・・。

彼は私と同じ年齢だが、緑丘中から金大付属高へ進学したので、学校が一緒になったことはない。
しかし、彼は中学時代から珠洲では有名人で、同じ学年なら学校が違っても覚えている人も多いのではないか。

なんといっても勉強は珠洲市郡でトップ。走れば100m、200mいずれもダントツ一位の快速を誇り、県体でも200mは優勝であった。

そんな彼が格差問題など現代社会の矛盾に鋭く迫る研究者として活躍していることを知ったのはいまから20年ほど前だったか。
東京の居酒屋で何度かお酒を酌み交わし、格差問題ではなく緑丘中時代の同級生(私の飯田高校時代の同級生)の話題などで遅くまで盛り上がったものである。
(実は1989年の市役所座り込み当時、彼も珠洲原発反対運動を応援するため、市役所に来てくれたそうだが、残念ながらその時はすれ違いだったようである)

彼の専門はマルクス社会学である。
冒頭の写真にある彼の著書を見てもらえばわかるように「階級社会」やら「階級闘争」やら、ここ30年ほど目にしないような表現が並ぶ。
いまどきこんな研究して、こんな本を書いていて食っていけるんかいや?と心配になる向きもあるかもしれない。

実際、ソ連崩壊後、マルクスOO学の類の学問をやろうという学生は急激に減少したはずである。

ところが彼はぶれなかった。
2000年代に入り、小泉構造改革によって世の中には「格差社会」という言葉があふれ、貧困が大きな社会問題となり、皮肉にも彼の研究や著作は再び大きく注目を浴びることになったのである。
経済格差を単に格差社会としてではなく階級社会として捉え、分析していくところに彼の研究の核心部分がある。

巷にあふれる格差社会の分析に物足りなさを感じている方にはぜひお薦めである(彼の著作はこちらから)。
冒頭紹介した本は難しい内容をできるだけ平易に書いている。同級生の皆さんも興味があったらぜひどうぞ!

もっとも、彼の著作の中の「現代日本の階級構造──理論・方法・計量分析」という本、たまたま書店で見つけて手に取ってみたが、あまりに難解でとても買う気になれなかった。東大頭脳丸出しで書かれるとついていけない 

逆にもっとも読みやすいのは「居酒屋ほろ酔い考現学」である。 
彼のブログ「橋本健二の居酒屋考現学」を見れば一目瞭然、彼は至るところで飲み歩いている。
居酒屋の風景から現代社会を読み解くという独自の研究領域?を開拓した「社会学」の本である。
これ1冊読んでから東京の夜に繰り出すと、一味違った東京が見えてくること間違いなし。






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