先日の飯田高校創立100周年記念式典で参加者に配布された記念品のひとつに100周年記念誌「伝説とロマンの里」がある。
珠洲市はかつて「伝説とロマンの里」を謳い、いまでも「伝説とロマンの里 珠洲市」というのぼり旗は残っている。
ところがいったい珠洲市にはどれだけの伝説があるのか、どんな伝説があるのかまとめられたものはなく、1985年に飯田高校がインターハイのウエイトリフティングの会場になった時に全国から参加した選手へ記念品として渡された「TEZUKURI 珠洲の伝説と民話」が強いて言えば唯一のものだったことは以前紹介した(こちら)。
そんな中、飯田高校の100周年を機会として西山郷史先生が編著者としてまとめられたのがこの本である。
ある意味、珠洲市にとっては待望の書ともいえる。
飯田高校の記念誌ということもあり、珠洲市だけでなく通学区域の能登町や輪島市町野地区までふくめた地域の伝説や民話が紹介されているが、それだけにとどまらず地域内の様々な史跡、遺跡などの項目で史実をふんだんに盛り込んでまとめられているので、奥能登の歴史書という性格も併せ持つ。
珠洲市制50周年に発行された「珠洲のれきし」は市内全世帯に配布され、大人から子どもまで誰でも珠洲の歴史に親しめる構成となっているが、今回の「伝説とロマンの里」とセットで読めばより深く珠洲の歴史を学ぶことができるし、伝説や民話を通じて珠洲の文化への理解も深まりそう。市内を散策するときの、やや専門的かもしれないがガイドブックとしても活用できそうである。
市内の図書館や公民館には置かれるようだが、全世帯に行き渡らないのが残念である。
なお、この記念誌はじめ100周年関連の記事や取り組みについては、100周年記念事業の実行委員長を務められた西山先生のブログに詳しい。
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