最近になって、
① ヒロヘリアオイラガの古い羽化済みの繭殻はたくさん見かけるのに、(生きている)繭や越冬繭はあまり見かけないこと
② イラガの繭の死亡原因は何か
などが気になり、昨年の春から富山市内の公園で樹木に付けられた両種の繭の状態を調べています。
滋賀県ではヒロヘリアオイラガの「第2世代繭は9月中旬~10月下旬に形成され、そのまま越冬して、翌年の6月上旬~7月上旬に羽化した」(沢田ほか『緑化害虫ヒロヘリアオイラガの個体群動態:繭密度の季節的年次的変動』)とあったので、富山県では11月以降に羽化することはないだろうと、2013年10月30日を最後に調査を中断していました。
ところが、昨日(2014年1月5日)調べると、ヒロヘリアオイラガの繭は、新たに羽化したものや捕食されたものが多く、生き残っているものはわずかでした。滋賀県での調査結果との相違の理由はよくわかりませんが、昨年の夏の異常高温が影響しているのかも知れません。
調査対象にしていない樹木についたヒロヘリアオイラガの繭の中を見ると、前蛹の状態でした。また、イラガの繭は、この2か月間に被食などの変化はほとんどありませんでした。
《11月~12月にかけて(?)羽化したヒロヘリアオイラガの繭 2014/01/05》
《ヒロヘリアオイラガの繭の中の前蛹 2014/01/05》
《ヒロヘリアオイラガの繭から取り出した前蛹 2014/01/05》