植木鉢を持ち上げると、下にセアカヒラタゴミムシが潜んでいました。
黒い体に脚が黄褐色、胸部が赤褐色のゴミムシで、上翅の中央に赤褐色の紋があります。公園や人家周辺でもよく見られるようです。
《セアカヒラタゴミムシ 2013/09/29》
植木鉢を持ち上げると、下にセアカヒラタゴミムシが潜んでいました。
黒い体に脚が黄褐色、胸部が赤褐色のゴミムシで、上翅の中央に赤褐色の紋があります。公園や人家周辺でもよく見られるようです。
《セアカヒラタゴミムシ 2013/09/29》
エンマコオロギは、人家の周辺でもなじみの、褐色で大型のコオロギです。
写真は♀なので鳴きませんが、♂は「コロコロリー…」と大きな声で鳴きます。
《エンマコオロギ♀ 2013/09/21》
ショウリョウバッタの♀は、日本で最大級のバッタで、体長は8㎝ほどあります(♂は5㎝ほど)。
後脚をそろえて持つと、体を上下に振ることから、「ハタオリ(機織り)バッタ」「コメツキ(米搗き)ばった」などと呼ばれてきました。
《ショウリョウバッタ♀ 2013/09/17》
《ショウリョウバッタの♀(上)と♂(下) 2013/09/17》
エンジュ(?)の大木の幹に付着した苔の中に埋れるように、アオイラガの繭がいくつかありました。
アオイラガは、幹や枝などで繭化するイラガやヒロヘリアオイラガとは異なり、下草の間や土の中(表面近いところ)など人眼に付きにくいところで繭化します。物に付着せずに繭化するので、付着面のないほぼ長楕円体のような形です。この繭を最初に見たときは、ヤマノイモのムカゴが落ちていると錯覚したほどです。
イラガの繭は触れても問題ありませんが、アオイラガの場合、繭の表面に幼虫時代の毒刺毛が付着しており、触れると痛痒を感じるので注意が必要です。また、繭の周辺にも毒刺毛が散乱しており、知らないうちにそれが付着した植物や土などに触れると同じように痛痒を感じます。
《樹皮に付着した苔の中に埋もれるように繭化したアオイラガ 2013/09/21》
《繭の中のアオイラガの前蛹 2013/09/21》
《アオイラガの繭の表面に付着している毒刺毛(拡大写真) 2008/12/15》
《長楕円体をしたアオイラガの繭 2008/12/15》
ネキトンボ(9月22日)やウスバキトンボの羽化殻(9月23日)を紹介した同じ人口池で、一組の連結したギンヤンマ♂♀と数頭の♂を見かけました。
この池は定期的に水抜き清掃され、水生植物は生えていないので、ギンヤンマは浮遊している枯れ枝や池の中に集積された落ち葉などに産卵しています。
《池の中に集積された落ち葉に産卵する連結したギンヤンマ♂♀ 2013/09/24》
《護岸で休む連結したギンヤンマ♂♀ 2013/09/24》
昨日(9月24日)は庭にやってくるナツアカネを紹介しましたが、アキアカネもいっしょに来ています。
アキアカネは代表的なアカトンボですが、成熟した♂でも体全体が赤くはなりません。よく似たナツアカネとの区別点は、胸の黒い筋(黄色矢印)が、途中で切断されず先が細く尖っていることです(ナツアカネでは、途中で切断されています)。
《アキアカネ 2013/09/22》
ここ数日、夕方になると、庭にナツアカネがやってきて、支柱の先などにとまっています。
ナツアカネは、アキアカネと並ぶ代表的なアカトンボ(赤蜻蛉)で、成熟した♂は腹部だけでなく頭、胸など全体が鮮やかな赤になります(一方、アキアカネの♂は、成熟しても頭や胸は赤くならず褐色です)。
また、胸の黒い筋(黄色矢印)が、途中で切断されているのも、アキアカネ(先が細く尖ります)との区別点です。
《頭や胸まで赤くなったナツアカネ♂ 2013/09/22》
《頭や胸まで赤くなったナツアカネ♂ 2013/09/22》
昨日(9月21日)にネキトンボについて紹介した同じ池で、ウスバキトンボの羽化殻(ぬけがら)が護岸などにありました。池の周りを歩くと、羽化して翅を伸ばしていたウスバキトンボが何頭も足元の草むらから飛び立ちます。少し離れた高木の上のほうでとまってしまうので、写真に撮ることはできませんでした。
ウスバキトンボのヤゴは、一見したところほかの生きものが見られないような人口池やプールなどでも、ミジンコなどを食べて成長し、1か月ほどで羽化するようです。ウスバキトンボの羽化殻は、トンボ科のほかの種類のものと比べて、殻の質が薄い感じがします。羽化殻での区別は、ウェブサイト『近畿地方のトンボ雑記』に詳しく紹介されています。http://www.tombon.com/EXLibellulidae.htm
《池の護岸に残されていたウスバキトンボの羽化殻 2013/09/19》
《ウスバキトンボが護岸で羽化していた人口池 2013/09/19》
公園の中の小さな人工池で、真っ赤に成熟したネキトンボの♂が縄張りの見張りをしていました。
ネキトンボは、翅の基部がオレンジ色のアカトンボ(トンボ科アカネ属)です。ショウジョウトンボ(トンボ科ショウジョウトンボ属)と似ていますが、ネキトンボは胸に太く黒い線があります。
幼虫は樹木に囲まれ水生植物の豊かな池などに生息するので、この池(水生植物はありません)で発生したのではないと思います。
《縄張りを見張るネキトンボ♂ 2013/09/19》
《縄張りを見張るネキトンボ♂ 2013/09/19》
公園の樹木で、イラガやヒロヘリアオイラガの繭を探していたとき、幹の襞に見慣れない茶色の直翅類の♀がとまっていました。もしかして珍しい種類では?と、撮った写真を図鑑で調べてみると、カネタタキの♀でした。カネタタキは「樹上性で、林縁や人家の生垣などに普通」(『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』)とあるのに、私は初めてみたのです。
カネタタキの♂には短い翅がありますが、♀には翅がありません。今度は、♂を探してみようと思います。
《カネタタキ♀ 2013/09/20》
常に草が刈られて草原状態が維持される川の土手は、バッタの仲間の絶好の生息地で、いろいろの種類が見られます。とりわけ目立つのは、トノサマバッタです。
トノサマバッタ(「殿様螇蚸」)は、その名のとおりバッタの仲間を代表する大きくて風格があるバッタです。人の気配に敏感で、近づくときは気づかれないよう静かにゆっくりと距離を縮めていかないと、すぐに遠くへ飛んでいってしまいます。
頭部や胸部が緑色をした「緑色型」と、灰色や茶色の「灰色型」の二つのタイプがあります。また、よく似たクルマバッタやクルマバッタモドキとは異なり、後翅に黒い帯模様がないので区別できます。
《トノサマバッタ 2013/09/19》
《トノサマバッタ 2013/09/19》
《トノサマバッタ(左:褐色型、右:緑色型 2013/09/19》
ミドリヒョウモンの♀が、公園の舗道で吸水していました。前翅の赤線で囲んだ部分に性標がないので(上の写真)、♀だと思います。口吻(赤矢印)を伸ばして水を吸っています(下の写真)。
「吸水行動は羽化直後と思われる♂でとくに顕著であり、♀ではカラスアゲハなど数種類について、少数の観察例があるにすぎない」(『原色日本昆虫生態図鑑Ⅲチョウ編』)ようなので、今回のミドリヒョウモン♀の吸水行動は珍しい例かも知れません。
《ミドリヒョウモン♀ 2013/09/14》
《吸水するミドリヒョウモン♀ 2013/09/14》
河川敷で見られるセセリチョウは、ほとんどイチモンジセセリですが、よく似たチャバネセセリも見られます。
チャバネセセリは、イチモンジセセリと比べると後翅の白い模様が小さく、直線状にはならずに写真のように円形に並んでいます。
《チャバネセセリ 2013/09/07》
早朝(5時半ころ)犬と散歩をしていると、ケヤキの大木の下の雨水があまりあたらない地面が、あちこちで白っぽい斑模様になっています。近寄ってみると、土が掘り返されて、植栽時に用いられた盛り土の土砂が掘り出されているのです。黒っぽく、大きな狩バチが、何やらいっしょうけんめいにやっています。クロアナバチが、穴掘りや穴の埋戻しをしていたのです。その1頭だけでなく、別のところで同じようなことをしている別のクロアナバチもいました。
クロアナバチは、黒く大型のアナバチで、顔に白い毛が生えています。地面に巣穴を掘り、獲物(クロアナバチの場合はキリギリスの仲間)を捕えて麻酔して巣穴に運び込み、これに産卵してして幼虫の餌にするそうです。
クロアナバチが獲物を運んでくるところなどを見たかったのですが、野暮用で時間がとれませんでした。
《巣穴?を埋め戻すクロアナバチ 2013/09/14》
《クロアナバチが掘った(と思われる)穴 2013/09/14》
路傍の獣糞に、ウラギンシジミが集まっていました。なかなか翅を広げてくれないので写真には写っていませんが、飛び立ったときにオレンジ色がちらちら見えたので、すべて♂だと思います。
ウラギンシジミは、翅の裏の銀白色が印象的な大型のシジミチョウです。翅の表の地は茶褐色で、♂ではオレンジ色の、♀では灰色の模様があります。
成虫で越冬し、春から秋にかけてみられますが、特に秋になるとよく見かけます。
《獣糞を吸うウラギンシジミ♂ 2013/09/15》
《獣糞を吸うウラギンシジミ♂の群れ 2013/09/15》