池のそばのキショウブの葉に、羽化したばかりのような蛾がとまっていました。胸背部のモヒカン刈りのような茶色の模様が特徴的なので、図鑑などを見れば種類は簡単にわかると思っていました。
いろいろな生態写真などを見比べていくと、ウチスズメにたどりつきました。しかし、よく似て小型のコウチスズメという蛾もいます。ウチスズメが「各地に普通」とあるのに対して、コウチスズメは「埼玉県三峰山・大阪府箕面・愛媛県面河渓谷等の山地で採れるがまれである」(『原色日本蛾類図鑑(下)改訂新版』)となっています。同じ図鑑で、ウチスズメの開張は70~100㎜なのに対し、コウチスズメ開張は46~60㎜です。
念のため、写真から大きさを推測することにしました。写真のガは図鑑のように翅を開いていないので正確ではありませんが、とまっているキショウブの葉の幅を3㎝とすると、前翅長は42㎜くらい、開帳は53㎜くらいになり、コウチスズメと判断される大きさです。
コウチスズメは「本来は山地性で、産地が限られるうえに採集例の少ない希少種とされているが、…埼玉県ではこの20年で低平地から台地・丘陵地でも見られるようになった」(『昆虫好きの生態観察図鑑Ⅰチョウ・ガ』)という報告もあります。
結局、?マーク付きでコウチスズメとしましたが、あまり自信はありません。
《キショウブの葉にとまるコウチスズメ? 2013/07/26》
《キショウブの葉にとまるコウチスズメ? 2013/07/26》