前回に引き続き、同じトイレの話題です。
トイレの入り口ドアに大きくて綺麗なオオミズアオ?を見つけて感激(基本的に、蛾は好きではありませんが…)。いつも見ている『ポケット図鑑日本の昆虫1400①』に、オオミズアオは「オナガミズアオとの識別は困難」と書かれていました。
ウェブサイトで調べると、『似た蛾の比較図鑑/オオミズアオとオナガミズアオ』に、両種が比較されていました。
「オオミズアオ本州以南亜種 全国に普通。バラ科、ブナ科、カバノキ科、ミズキ科など多数のホストが知られ東京の都心でも多数発見される本属最も普通種と思われる。春と夏に出現し、夏の個体は黄色みが強く、外横線が強くでる傾向にある。…。
オナガミズアオ本州・九州亜種 食草がハンノキ属に限定される故にオオミズアオより個体数は少ない。両種ともに♀は丸みを帯び、触角の髭は短い。オオミズアオと同時に得られる事も多く同定には注意が必要。この2種の中間型のような個体は外見でも判断が難しい。和名である「オナガ」は参考にしない方がよい。…。一般にオオミズアオより小さいが、かなり小型なオオミズアオもしばしば見られる。
翅 赤線で示したように翅頂がオナガのほうが尖り、外縁が丸みを帯びない。対するオオミズアオは全体的に丸みが強い。
青矢印で示す後翅眼状紋はオナガのほうが円形に近い
ピンク矢印で示した前翅前縁の赤紫の縁はオナガの方が鮮やかで、前半分が白色。…
図示した標本にはほとんど見られない特徴だが、外横線はオオで波打ち、オナガで直線的な傾向
触角 緑矢印で示したようにオオでは黄色でオナガでは緑色(…)
止まり方 オオミズアオは平たく止まる一般的な形に対しオナガは後翅眼状紋を隠すかのように前翅を起てて止まる事が多い(新鮮な個体に多い?)
※ これらの比較ポイント全てに例外があるので一つの比較ポイントで判断するのではなく、総合的に見て判断するべきである。」
この比較ポイントを(私なりに)写真と比較すると、
① 翅は、全体的に丸みが強い→オオミズアオ
② (後翅眼状紋は前翅と重なっていてよく見えない)
③ 前翅前縁の赤紫の縁はオナガの方が鮮やかで、前半分が白色→オオミズアオ
④ 触角は、緑色とはいえないが…→オオミズアオ?
⑤ 止まり方は、後翅眼状紋を隠すかのように前翅を起てて止まっている→オナガミズアオ
周囲の環境なども含め総合的に考えると、オオミズアオかな?と思います。
《トイレのドアにとまっていたオオミズアオ? 2022/05/28》
《トイレのドアにとまっていたオオミズアオ? 2022/05/28》
オオミズアオについては、昆虫学者の丸山宗利さんが、『わくわく昆虫記ー憧れの虫たちー』の中で、春の憧れの虫としてオオミズアオをとりあげています。
私も、このブログで、この本で取り上げられた丸山さん憧れの虫たち48種とともに、私の想い出と写真を紹介していました。オオミズアオの部分を参考までに再掲します。
「gooブログ「やまぼうしー自然の記録帳ー(ヒメエグリバ(幼虫)(富山市布市~石屋)2020/09/30)
(本文など省略)
※『わくわく昆虫記ー憧れの虫たちー』(丸山宗利著・山口進写真)の虫たち 48/56 オオミズアオ(春)「オオミズアオ」の副題は、「あの世から来たと言われたら信じたと思う」です。オオミズアオは、幻想的という言葉がふさわしい蛾、後翅に長い突起がある均整のとれた姿に、吸い込まれるような美しい水色をしています。オオミズアオはあの世から来たという迷信を子どもの時に聞いていたら、丸山さんは信じてしまいそうと言っています。
私は、子どものころにオオミズアオを見たことはありません。写真を探しましたが、死骸の写真しか見つかりませんでした。何かに食べられたようで、翅だけが残されていました。
《オオミズアオの死骸 2010/09/03 頼成の森》」