(6月上旬の観察記録です。)
コナラの林の中の歩道を歩いていると、ジャノメチョウの仲間が飛び出しました。ヒメジャノメとはちょっと飛び方が違い、コジャノメのような感じがします。とりあえず写真を撮って、後日ゆっくり確かめることにしました。
「日本の昆虫1400①」によると、よく似たヒメジャノメとは、
① 裏面地色が濃色
② 裏面縦帯が紫色味を帯びる
③ 眼状紋bと眼状紋cとを比べるとcが大きいか同じくらい
で識別できると書かれています。写真では、眼状紋bの方が眼状紋cより大きく見えるので、識別点③ではヒメジャノメ、識別点①、②ではコジャノメと判断され、迷ってしまいます。
ヒメジャノメとコジャノメの見分け方を紹介したウエブサイト「ヒメジャノメ×コジャノメ翅裏比較図Ver.1.0」では、
① 翅裏地色はコジャノメの方が濃い。
② 翅裏白帯は、ヒメジャノメではわずかに黄色味を帯び、コジャノメではやや紫藍色を帯びる。
ア 白帯の境界はどちらも基部側で明確だが、コジャノメは外縁側でぼけ具合が顕著。
イ ヒメジャノメはコジャノメに比較してかなり基部側に配置される。
ウ コジャノメは外側に配置される分、外側に沿って湾曲気味になる。
③ ②の影響もあり、コジャノメでは前翅裏眼状紋が白帯を押し気味になる。
④ 後翅第4室の眼状紋cは、ヒメジャノメではほぼ消失していることが多い。
⑤ 前後翅の大きな眼状紋a、dの大小比較で、コジャノメは差異が大きい。
とされ、このうち⑤の識別点が重要としていますが、絶対でもないので、いつの場合も総合的判断が必要と結んでいます。写真の蝶は、これらの識別点では、コジャノメと判断されます。http://yoda1.exblog.jp/13865468/
以上を総合的に判断して、写真の蝶はコジャノメとしました。(疲れましたが、絶対的な自信はありません。生物にとって種とは何なのでしょうか?)
《コジャノメ 2014/06/07》
《同じ樹木園で見かけたヒメジャノメ 2014/06/07》