好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第5番 シップウェイ/ロイヤルフィル

2017-12-02 12:00:43 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…シップウェイ
演奏…ロイヤルフィル
好み度…4.5(5点満点)

ロイヤルフィルの録音は、重みや深みは感じないが華やかな厚みのある録音が多い印象があって、その印象はこの盤でもあてはまり、それがこの曲にはある意味合っていて、なかなか華やかなチャイ5が展開されているように思う。
華やかといっても線が細かったりするわけではなく、落ち着いた厚みに華やかな響きがプラスされているといった感じで、重さや凄みは感じなくても各パートよく鳴っている。
騒がしくすることなくこの曲の華やかさを力感も伴ってよく出していて、第1楽章は低弦も結構効いて、すこしゆったり目にほどよい華麗さと力感で心地よく、第2楽章の弦も程よい重さと落ち着きも持って美しいし第3楽章のワルツもチャイコフスキーらしく華美、終楽章に入って少し熱を増した上にフィナーレはさらに上乗せして華美にして活気と力感にあふれた感があり、いや、これはこの曲の名演かもしれない。

チャイコフスキー 交響曲第5番 リットン/ボーンマス響

2017-09-09 09:18:35 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…リットン
演奏…ボーンマス響
好み度…3.5(5点満点)

細い響きではないけど、どちらかというと覇気や力感よりは美しさや繊細さを感じるタイプのように感じられ、悲愴では独特の美しさになっていたけれど、この5番ではちょっとピンとくるものがない印象かな。
独自のテンポの動きもあったり、整ったよい演奏だし、きちんと鳴ってはいると思うけど、特に何かを感じる盤でもないかな、といった印象でした。

チャイコフスキー 交響曲第5番 ムーティー/フィラデルフィア管

2017-07-10 20:38:26 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ムーティー
演奏…フィラデルフィア管
好み度…3.5(5点満点)

どうも私にとってムーティーはあまり合わない印象があり、ときにムーティー評として「イタリア人らしく旋律をうたう」といった表現をみかけるが、この演奏でも、どうも私にはゆっくりなだけで特に謳っているようには聴こえないし、柔らかい音というよりは覇気のない音のように聴こえるし、特に独特の響きを聞かせるわけでもないし、といった具合。この演奏はほんのちょっと聴いただけど、全体的な雰囲気としてはそんな印象の演奏だったように思う。

チャイコフスキー 交響曲第5番 ソキエフ/トゥールーズ・キャピトール管

2017-05-07 11:39:28 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ソキエフ
演奏…トゥールーズ・キャピトール管
好み度…4.5(5点満点)

内声豊かに、快活に、華やかに謳ったチャイ5である。
気の利いた細かな起伏やテンポの動きも嫌味なくつけられ、スタイリッシュでもありながら線の細さは感じない。
どこか明るい雰囲気はフランスのオケであることが関係するのだろうか。
土臭いような情感や力感あるいは重厚感などは感じられず、快活に、スタイリッシュにまとめられて颯爽と若々しい新鮮なチャイ5であり、フィナーレがもう少し力感があればなぁ、という気もしないではないが、凡庸でない快演である。
洗練されつつ細くない、どこか新感覚なチャイ5といえるのかもしれない。

20210220  久しぶりに聴いて、やっぱりこれは颯爽と、気障でなくカッコよい。センスの良さに満ちたようなカッコよさ。最初の高揚部なんかもこれ以上カッコいい盤ってあるのかな?なんて思う(最近聴いた中では佐渡のもよかったか…)。フィナーレもかつては力強い響きを求めてたんだろうけど、今聴くと弱いわけではないし爽やかな力は感じられてこれはこれで悪くない。好み度4から4.5に変更。

チャイコフスキー 交響曲第5番 ショルティ/シカゴ響

2017-05-06 11:51:40 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ショルティ
演奏…シカゴ響
好み度…3.5(5点満点)

1987年盤。相変わらずシカゴの豪華な響きとアンサンブルは健在だが、1975年盤と比べると普通の演奏になってしまった感がある。
フィナーレの勢いだけはこちらのほうを買うが、あとは得体の知れない勢いを伴っていた1975年盤に軍配。

チャイコフスキー 交響曲第5番 ムラヴィンスキー/レニングラードフィル

2017-01-29 10:08:26 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ムラヴィンスキー
演奏…レニングラードフィル
好み度…4(5点満点)

アプローチとしては比較的一般的な類の中で、音のボリュームをいったん落としてから上げていく手法は、小さいフレーズで、大きいフレーズで、マメに行っており、テンポの変動も頻繁にあり、また、第2楽章や終楽章などは鳴らしどころはしっかり鳴らしながらもある意味さっさと快足気味に演じてムラヴィンらしい演奏にはなっているが、4番で聴かせた「好みは別としてやっぱりすごいな」と思わせるものはあまり感じない印象を受ける。終楽章の凱歌はレニングラードフィルの力で以って高らかに弦を響かせてくれてもよさそうなものだが、そうでもない。
このコンビだけに標準以上の仕上がりにはなっていると思うが、特に凄い、というものを感じるという域でもないように思う。もともとのハードルが高いという面はあるだろうけど。

チャイコフスキー 交響曲第5番 オフチニコワ/ウクライナ国立響

2017-01-21 11:22:53 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…オフチニコワ
演奏…ウクライナ国立響
好み度…4(5点満点)

最初の高揚部へ向かうところからオーバーなくらいの残響も手伝って華やかであり、豪快な金管と、その後の低弦も表情豊かに太く伸びやかで、力強く華やか。
その後も高低の弦も金管も大きくはっきりした音で大きく旋律を謳い、開放的な響きでエンターテイナーな感を受ける演奏であり、終楽章になっても華やかな力感は衰えずフィナーレも活力を感じてなかなかに心地よい。録音も含めてちょっとエンターテイナーすぎるかな、という印象もないではないが。
テンポは細かな動きはほとんどなく全体的にも大変オーソドックス、特に細部に気を配った、というふうでもなく、また、深みとかうまさとかを感じる演奏でもない。
教会で聴くような高音に寄った豊かな残響を伴う大きな響きで、深くなくても、安直であったとしても、この曲の華やかさとロマン的な側面をストレートにそのまま響かせようとしているかのような、そんな演奏のように感じる。

チャイコフスキー 交響曲第5番 ビュンテ/ベルリン響

2016-07-04 22:32:20 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ビュンテ
演奏…ベルリン響
好み度…3.5(5点満点)

いくつかのサイトで「力のある名演」みたいなことを書いていたので聴いてみたが、
音の厚み、勢い、緊張感、新鮮な楽器の出し入れ、あるいはフィナーレの雄大さとか、その演奏にしかない雰囲気とか、どれをとっても特に感じるところは私にはなかった。
特に悪いところもないが、普通のライブといったところではないだろうか。

チャイコフスキー 交響曲第5番 ショルティ/シカゴ響

2016-02-26 23:17:53 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー
交響曲第5番

指揮…ショルティ
演奏…シカゴ響
好み度…4(5点満点)

1975年録音の盤。
このコンビはここでも絢爛であり華麗である。
名人達人の上質のエンターテイナーである。
金管は濁らず華麗に音を重ね弦楽器も艶やかに美しい音を流麗に奏でる。
各パートの音は濁らず輪郭もはっきりと分離され一糸乱れぬアンサンブルも流石。
深みとか渋みとか重量感とか、とはちがったベクトルの、絢爛明晰な垢抜けた響きで、旋律も心地よく流麗に謳われる。
特に何を感じるわけでも残すわけでもなく心地よく勇壮な音楽が流れていくといえばそれまでだが、この曲はそれでもいいのだとも思う。
この曲のそういった側面を聴くならば上質の盤のように思う。
※20170505文章変更

チャイコフスキー 交響曲第5番 ヤンソンス/オスロフィル

2015-12-27 20:51:52 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー
交響曲第5番

指揮…ヤンソンス
演奏…オスロフィル
好み度…3.5(5点満点)

重かったり、暗かったり、ということのない、まるで全編ワルツを聴いているような、そんなチャイ5である。
このシリーズの特徴である残響が多く高く伸びのある音質に、バランスよく、軽快な解釈がそう聴こえさせているのだろう。
さぁ聴くぞ、と気合を入れて聴くのでなければ、美しく心地よいチャイ5である。