好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 リットン/ロイヤルフィル

2017-10-22 09:50:30 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…リットン
演奏…ロイヤルフィル
好み度…4(5点満点)

重々しい重量感はないが、響きは透明感も感じさせる艶と厚みをもったしっかりした響きで、また、ずっとフルで鳴りっぱなしでなく、繊細に聴かせるところとフルで迫るところの自然な使い分けもうまく、第1楽章は冒頭の充実した響きに始まり、後半の高揚部での力感等際立ったものを感じるし、一転、第2楽章での弦の重なりは透明感と繊細さを伴うような美しさを聴かせたりしている。
第3楽章は少し控えめ、終楽章は最初のホルンと続く古フルートのソロの柔らかく優しい響きがまず印象的。その後もどちらかといえば強い力感は感じさせずに柔らかい印象、力感に欠ける印象もあるが、ときに強奏も交えつつゆったりとした柔らかい響きはこれはこれでありか、とも思わせ、フィナーレは結構ゆったり力強くやって不完全燃焼感はあまり感じない。
強い推進力や燃焼感を感じるタイプではないが、優しさと透明感ある厚い響きで、ときに美しく、ときに速度を落として艶のある厚みを聴かせ、ちょっと新鮮味を感じさせる特有の雰囲気を持った盤のように思う。
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ブラームス 交響曲第1番 ヤンソンス/バイエルン放送響

2017-09-18 17:54:41 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ヤンソンス
演奏…バイエルン放送響
好み度…4(5点満点)

厚く美しい上質の演奏とは思うが、重厚感とか凄みとかはなく、どこか遠くで響いているような、ちょっと重たげで眠たげな感を受ける。
2番で聴かせた活力はこの演奏では感じられないように思う。厚くそつなく悪くないけれど、凄みも力感も渋みも感じられず、ある意味ヤンソンスらしい。
第2楽章ではバイエルンならではの響きがあるかとも思ったが期待したほどでもない。
綺麗だけど、結局何も届いてこないような、何かモヤッとしたままの、どこに向かっても抜け切れなかった、そんな印象が残る。
ただ、終楽章の弦による主題は独特の優しい情感が美しく濃く漂って好感。
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ブラームス 交響曲第1番 ヤンソンス/オスロフィル 

2017-07-01 11:50:15 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ヤンソンス
演奏…オスロフィル
好み度…4(5点満点)

落ち着いた美しさを感じさせる演奏といえようか。
腰の据わった運びで、特に金管が豪快に鳴ったりということはなく、柔らかめの弦が中心の響きの中に低弦もしっかり底を支えつつ落ち着いた美しさを感じさせている。
特に深みや渋さや強い個性といったものは感じられず、特別感銘も感じさせないのもある意味ヤンソンスらしく、つまらんといえばつまらんかもしれないが、しっとりした厚みのある響きで、この曲のもつ腰の据わった美しさを感じさせる上質な演奏ではあると思う。
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ブラームス 交響曲第1番 ティーレマン/シュターツカペレ・ドレスデン

2017-05-06 11:55:31 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ティーレマン
演奏…シュターツカペレ・ドレスデン
好み度…5(5点満点)

ブラボーである。熱狂的なブラボーでなく、しみじみとした充実感と感銘を以って、拍手を送りたくなるようなブラボー。
華やかさや推進力や機能美に勝る演奏は他にもあると思うが、くすまない落ち着きを感じさせる上質で深みも感じる響きで、ブラームスらしいゆったりさと艶を持った重さを感じさせる。テンポはきめ細かく動かしているが、違和感はなく、第1楽章の高揚部とかフィナーレへの追い込みとか、迫るところはさすが名門の厚みで迫るし、終楽章のホルンの独奏や例の主題の、静かに湧き上がるような処理も美しく、フィナーレの凱歌もゆっくりと輝かしくも美しい。
ティーレマンの表現も統制も見事と思うし、オケの柔らかく重厚でくすまない、格調の高さも感じさせる響きもさすがと思う。
録音もよく、そのせいもあるだろうが、ミュンヘン盤で感じた、全体的にちょっと抜け切らない感をこの盤で感じることはない。テンポなど結構独特にやっているが全体の印象としてなぜか「正統」を感じるような、一級の名盤と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 レーグナー/ベルリン放送響

2017-05-05 08:42:10 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…レーグナー
演奏…ベルリン放送響
好み度…4.5(5点満点)

緊張感ある、ドイツ的な、低弦もがっしり響いた響きは、活力ある重みと凄みも漂わせるようで、聴き応えある快演。
第1楽章中盤の高揚部は迫力と凄みを感じさせるし、第2楽章の弦も重みのある美しさを聴かせるし、終楽章導入のソロも古―となんか結構明るく幽玄な雰囲気を聴かせてたりフィナーレへ向かう追い込みでは重量感を感じさせ、フィナーレは速度を落として悠然と、全編聴かせどころはしっかり聴かせて感銘も感じさせている。
オケの響きはちょっと野性味も感じさせるような響きで、洗練された美しさとかとはちょっと違うかもしれないが、高い集中力・力感とか推進力、込められた情が強い印象を与える、ネームバリュー的には中堅どころの指揮者とオケの快心の底力を聴くような、活き活きとした重さと情を伴ったブラ1らしい響きの、快演である。
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ブラームス 交響曲第1番 ジュリーニ/ロサンゼルスフィル

2017-04-30 16:03:50 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ジュリーニ
演奏…ロサンゼルスフィル
好み度…4(5点満点)

響きはウィーン盤やバイエルン盤に比べると、重みや深みあるいは緊張感に欠けるきらいはあり、バイエルン盤が明るさと重みを兼ね備えていたのと比べると、明るいというよりは軽い印象をぬぐえないところはある。
ただ、どこか自由で伸びやかな雰囲気も感じられ、味気ないわけではない。
第1楽章終盤の楔の2音など打ち込むように強奏されるなど、随所にならではの処理も聴かれ、力感に不足はないが、もう少し重みというか凄みというか、何かがほしい感はある。
ゆっくりの第2楽章では伸びのある厚い弦が明るく叙情的に旋律をうたってなかなか心地よい響き。
第3楽章も明るく伸びやかでこの楽章らしくてまぁよいように思う。
終楽章も18:34だから結構ゆっくり。低弦もティンパニも含め結構響いているが、やっぱりちょっと重みや深みに欠ける印象からか、今一歩、活力ある力感やスケール感に至っていない感を受ける。フィナーレの凱歌はゆっくり輝かしくていいんだけど。
全体的に、特有のよさは感じつつ、重みや深みといった点で今一歩感を感じる、といった印象。
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ブラームス 交響曲第1番 ドホナーニ/フィルハーモニア管

2017-04-22 00:14:06 | ブラームス 交響曲第1番
ドブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ドホナーニ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…3(5点満点)

ライブのようだが特に厚さや覇気を感じるわけでもなく、全体的に響きとしてそれなりに鳴ってはいるが深みあるいは精彩を欠く印象。
序奏はよい響きで期待を持たせるが、その後は今一つ抜け切らないまま過ぎていくような…。
標準的な域ではあって悪い演奏とも思わないが、特に何が残るという印象もありませんでした。
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ブラームス 交響曲第1番 サヴァリッシュ/ウィーン響

2017-03-05 16:16:56 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…サヴァリッシュ
演奏…ウィーン響
好み度…5(5点満点)

サヴァリッシュらしい、重量感を誇示したり感情や熱がむき出しになることはないが堅固な響きで頑固なまでにしっかりよくまとまった演奏。
かといって無機的とか無表情かといえばそうではなく、しっかりした厚みの中にどこか実直な温かさのようなものを感じさせるのもサヴァリッシュらしく、また、どこか骨っぽい力感が結構感じられるのはサヴァリッシュの盤にしてはちょっと拾い物をしたような感もあり、上質の響きと思う。
ウィーン響の、よい意味で洗練されきっていないちょっと古風な響きもあっているのかもしれない。
第1楽章は至って実直正統、特にパフォーマンスはないが、強めの低弦がほどよい重みと深みを与えてしっかりした厚みと活力を感じる響きで、第2楽章のどっしりとした古風な弦はなかなか印象的。終楽章はホルンやフルートの独奏も情味ある雰囲気を漂わせて、その後はサヴァリッシュには珍しいくらいの熱と力強さを感じ、そんな中で例の主題はおおらかに叙情性を漂わせ、随所で強めの低弦も印象的に、フィナーレも追い込みから力強く、なかなか聴き応えのある楽章になっている。
中庸ど真ん中を心と力を込めて演じ切ったような、古武士のような趣も感じさせる、これは名盤の域でしょう。ロンドンフィルとの後年の全集もあるが、完成度あるいは上質な質感のロンドンフィル盤、エネルギーというか情の込められた野性味のウィーン響盤、といったところか。同じ指揮者ながらだいぶ趣は異なるが、どちらもよい味わいを持った盤と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 小澤/サイトウキネンオーケストラ

2017-02-07 21:28:31 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…小澤
演奏…サイトウキネンオーケストラ
好み度…4(5点満点)

1990年のほう。派手な演奏ではないが、例えば同じ小澤のボストンとの演奏と比べると、推進力や力感は少しトーンを落とすが、代わりにブラームスらしいよい意味でのくすみというか深みというか、特に分厚い音というわけでもないのだけれど、込められた情感とか、そういったものが加わったような感がある。テンポもボストンに比べると少しゆっくりである。
少しだけこもった印象も受ける録音ながら、乱れぬ展開やバランスのとれたアンサンブルは小澤あるいはこのコンビらしいが、同じブラームスの2番や4番などと比べると少し重みと情を感じるのは、小澤自身のこの曲への思い入れからだろうか。
両端楽章では派手さはないがラストは結構劇的でもあり、終楽章の例の主題は情感を感じて感慨深い。第2楽章は深みや美しさといった点で、このコンビにしてはややもの足りない印象も受ける。
総じてやや地味ながら、腰をすえたしっかりした演奏の中に、この演奏にしかない気迫や情が感じられる盤と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 ヤルヴィ/ロンドン響

2017-01-29 10:05:10 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ヤルヴィ
演奏…ロンドン響
好み度…4.5(5点満点)

教会での録音だからなのか、残響美しいどちらかといえば高音に広がった響きの印象であり、低音がゴツゴツ効いているような演奏ではない。
低弦も鳴っているが、録音上あまり低く感じられない、といった面があるのかもしれない。教会特有の美しい残響に包まれるせいか、弾き方にそれほどメリハリは感じられず、各パートの輪郭は溶け合い、第3楽章などではその美しさはよい方向に作用しているようにも思えるが、全体的にやや深みを欠くような印象も受け、ブラ1の響きとしてはややもの足りなさを感じるかもしれない。
ただ、全体として薄っぺらでない厚さもあり、どこかほの暗さも感じるアンサンブルは良質ではあるし、フィナーレのたっぷり謳った輝かんばかりの凱歌はなかなか他では聴かれないものであり、フィナーレのゆっくり堂々としたものを聴きたい方には貴重な1枚となると思う。
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