好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 プレトニョフ/ロストロポーヴィチ/ロシア・ナショナル管

2015-10-10 23:34:36 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番

ピアノ…プレトニョフ
指揮…ロストロポーヴィチ
演奏…ロシア・ナショナル管
好み度…4.5(5点満点)

ピアノの音のなんと澄んでいることか。
澄んでいてなおダイナミックさを備え、豊かな情感を湛えている。
起伏の動きも細やかで大きく凛として美しい。
大カデンツァも激しさと強さとともに強い情感を表現して聴き応えあり、その後の叙情部は夢見心地に誘われるように美しい。
オケはロストロの棒で重く重厚かと思いきやどちらかといえばむしろクリアで控えめ、ながら、緊張感を湛えた起伏をもってピアノの美音をしっかり支えている。
両者相まって高い完成度の中にこの盤ならではの緊張感と雰囲気を醸している。
この曲のドライな激しさと緊張感とともに情感と美しさも存分に聴かせる、難曲であることを忘れるほどにプレトニョフの名人芸が光る名盤と思う。

ブラームス 交響曲第1番 ミュンシュ/パリ管

2015-10-10 23:28:14 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ミュンシュ
演奏…パリ管
好み度…3.5(5点満点)

何とまぁ豪華で重いブラ1だろうか。
第1楽章のテンポはむしろゆったり構えたところもあるが、力感に溢れ、重い刃物のような鋭さと凄みも感じさせ、
いろんな音がめいっぱいの力感をもって主張し合うところは豪華な食材をこれでもかと、しかも大きな弁当箱にぎっしり詰めたような感さえある。
第2楽章は、がっちりと低音が響き、重みあるものだが、もっと情感と深みに勝る演奏は他にあるだろうし、第3楽章も特別な雰囲気を感じるというものでもない。
終楽章は芝居がかったくらいにゆっくりのソロから始まり、第1楽章ほどではないにせよ十分に豪華であり強い推進力と力感と重い切れ味は保たれ、ときおり見せるティンパニの強打も強烈である。
フィナーレへ向かう追い込み、ティンパニ大活躍のフィナーレとももはやブラームス離れといえるほどに何者かをねじ伏せるがごとく強烈である。
情感とか渋い深みとかはかなぐり捨てて、各楽器の豪華な競演、力感と重量感を重い切れ味たっぷりに、それでいて明るく奏しきった豪演だろうと思う。
重いけれどどこか明るいのはフランスのオケだからなのだろうか。
私の好みとはちがうが、強く豪華なブラームスが好みの方には堪えられない1枚ではなかろうか。

ベートーヴェン 交響曲第7番 クーベリック/バイエルン放送響

2015-10-10 23:25:08 | ベートーヴェン 交響曲第7番
ベートーヴェン
交響曲第7番

指揮…クーベリック
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

この曲は1音目の印象がそのままその後の演奏の印象となるケースが結構多いような気がしているが、その1音目は活力あって華やかな響きで入る。
そしてやはりその後も大いに活力があって華やかなベト7である。
重くなく、清清しく内声豊かに音をつくるクーベリックと、やはり清清しい響きのバイエルンの組み合わせは、ある意味でこの曲に合っている。
清清しいが決して軽いわけではない。活気があり、華やかで、内声も華麗で、その明るい力感にあふれる響きには心地よく圧倒される感があり、華麗な内声は楽しいばかりである。
この盤でのバイエルンの響きはいつにも増して輝かんばかりの活力に満ちている。
フィナーレも躍動感十分、フィナーレへ向けての追い込みでは左右からかけあって聞こえるヴァイオリンも華やかに、聴いていて楽しいばかりに締めくくっている。
ケーゲル/SKD盤が剛、デイヴィス/SKD盤が深、ならばこのクーベリック/バイエルン盤は活、の私にとってはこの曲の3大名盤である。