好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第2番 小澤/サイトウ・キネン・オーケストラ

2015-12-19 23:08:26 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…小澤
演奏…サイトウ・キネン・オーケストラ
好み度…4(5点満点)

小澤の音楽は力強さだったり情感に訴えたりというよりは美しさを追求しているようなところを感じるが、そのスタンスはこの曲ではよい方向に作用しているように感じる。
ほどよい厚みと明るさにほのかに豊潤な渋みも加えた美しい弦を基調に、木管の美しい重なりや渋く咆哮する金管、これらが明るくも腰の据わったブレンドで、小澤らしい、しっかりした洗練された音で、心地よい明るさにほのかに叙情性も加わった美しいブラ2だと思う。
欲を言えば終楽章にもう少し力感があれば、といったところか。

ブラームス 交響曲第1番 ラインスドルフ/ボストン響

2015-12-19 23:05:04 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ラインスドルフ
演奏…ボストン響
好み度…4(5点満点)

録音のせいだろうか。
ルービンシュタインとのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番といい、このブラ1といい、ラインスドルフとボストン響のこの弦の迫力はどうだろう。
この頃のボストン響とはこういう楽団だったのだろうか。
この圧力にも似た迫力の響きでラインスドルフの指揮も速めのテンポでがっちりメリハリつけて押し通すものだからその分厚い推進力は結構半端ない。
響きの重心低く、弦の分厚さを強く感じさせ、テンポを落としてホルンや弦をめいっぱい謳わすということはあまりせずに分厚い燃焼感と推進力を押し通す(終楽章は全体のテンポは特に速いというわけではない)。
情感にはやや欠ける感もあるが、特に両端楽章での推進力と分厚い迫力には爽快に圧倒される感がある。中間2楽章はテンポも響きも普通といえば普通。
情感とか旋律の謳い方とか、そういうところの好みはもはや関係ないくらいの、特に弦の、目いっぱいに振れた分厚さと活力ある力感に圧倒される感のある1枚。

チャイコフスキー 交響曲第5番 アシュケナージ/フィルハーモニア管

2015-12-19 22:53:23 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー
交響曲第5番

指揮…アシュケナージ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…3.5(5点満点)

オーソドックスに、美しく、低い弦も含めほどよく謳わせながらよくまとめられている演奏だと思う。
「ここではこの弦に響いてもらいたいな」と思っているところでちゃんと響いてくれる、という心地よさなんかも感じる。
ただ、この曲はそれだけではちょっと退屈するところがあって、もっと重さ、強さ、あるいは熱さ、またはその演奏にしかない音の響かせ方、とか、何かもう一味ほしいところであり、上質な演奏で良盤だとは思うが、他と比べて特に魅力を感じるというわけでもない、といったところ。