好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 テンシュテット/ロンドンフィル 他

2015-12-20 22:59:59 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル&合唱団 他
(1991 ライブ)
好み度…5(5点満点)

まさに圧巻、テンシュテットとロンドンフィル一世一代の天下の大名演。
第九の演奏としてその燃焼度、完成度、スケールの大きさ、どの点においても古今東西最高の1枚ではないだろうか。
第1楽章冒頭から全編にわたって、弦の響き、管の燃焼度とも凄まじい。
テンシュテットの音作りも熱く、オケも気迫に満ちており、なおかつ勢いに任せて乱れることがない。
弦が、トランペットが、ホルンが、ティンパニが、存分に響き渡り、そのアンサンブルは豪放にして絶妙のブレンドであり、その響きは熱く大きく神聖ですらある。
ロンドンフィルには失礼だが、ロンドンフィルとは思えないほどの完成度をも伴っており、こんな演奏ベルリンフィルにもウィーンフィルにもコンセルトへボウにも、そしてテンシュテットとロンドンフィルにだって二度とできないかもしれないけれど、この組み合わせにしかできない演奏なのだと思う。
合唱は、かなり大がかりなものと思われるが、残響の多めのホールを包み込むような量感で最後まで圧倒的である。
専門的には上手いのかどうかはわからないけれど、圧倒的量感かつ清清しいエネルギーに満ち、その力感と情感は終盤まで一切衰えず、終盤へ向かう高揚感と堂々たるフィナーレはまさに感動的である。
演奏後の拍手も熱狂的であるが、むしろよくぞ最後まで拍手を我慢したものだと思うほどであり、やっぱり第九はすごい曲なんだと思い知ることができる演奏である。
今現在なぜこの演奏が正規盤になっていないのか、腹立たしいほどに理解に苦しむ。
第九というとバイロイトが決まり文句のように語られることが多いが、断然第九1の演奏だと思う。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ブロンフマン/サロネン/フィルハーモニア管

2015-12-20 22:55:09 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番

ピアノ…ブロンフマン
指揮…サロネン
演奏…フィルハーモニア管
好み度…3.5(5点満点)

アシュケナージの叙情性、マツーエフの強靭さ、といったような個性を求めるならばもう一歩、という感があるが、特に感情への訴求を求めなければ、ピアノの音もときに美しく、時に重く、平均点以上の聴き応えではあり、サロネン指揮フィルハーモニア管も豊かな音色で単なる伴奏以上の演奏を聴かせているように思う。
まぁただ、他の盤を差し置いて何度も手を伸ばすかと言われればそうでもないような気もする。
オーソドックスかつ質の高い演奏、という意味ではそれなりに位置づけされる盤であると思う。