好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ライナー/シカゴ響

2016-02-07 22:51:50 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」

指揮…ライナー
演奏…シカゴ響
好み度…4(5点満点)

がっちり統制のとれたアンサンブルとオケの厚さや力量の高さはさすがと感じさせる。
重みやほの暗さを感じさせるタイプの演奏ではなく、第1楽章の第2主題などもむしろ明るさを感じるくらいである。
第1楽章ではむしろ展開部以降のほうがテンポを落とし、展開部冒頭の厚みとキレはさすがだし、重量感もあってこのコンビのよさを感じられるように思う。
第3楽章はこのコンビらしく上手く節度をもった豪快さ、終楽章も厚さと上手さと美しさはさすがで、ときに深みも感じさせる美しさだが、その美しさはここでも悲愴感とか耽美的とかというよりはもう少し機能的な客観性を効かせた美しさと感じる。悲愴感とか情感とかよりも音響的にドライにこの曲を聴きたい向きにはよいかもしれない。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 クライバー/ウィーンフィル

2016-02-07 22:48:12 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…クライバー
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

クライバーの演奏は、どこか風のようである。引き締まった風である。
精神性とか哲学とかでなく、ひたすらに心地よく、吹き去った後はほのかな心地よさと爽快感を残して何もなかったかのようである。
スケール感とかでなく、純粋に音とリズムと旋律から生まれる心地よさを楽しむかのようである。
それはそれとして、この盤、運命の名盤といえばまず名前の挙がる盤でしょう。
厚いけど重苦しくなく、大変スタイリッシュかつどこか古風な香りや威厳も備えた響きと適度なスピード感と躍動感。
やっぱりすごい演奏だと思います。
少なくとも第1楽章はまさに文句なしの大名盤たる演奏でしょう。まさにクラシックの代名詞のような「運命」でありながら古臭くなくカッコいい。
続く2つの楽章でも第3楽章でのホルンの吹かせ方など、さすがクライバーと思わせるカッコよさがあり、終楽章も冒頭の凱歌やホルンの強奏部等はスタイリッシュで楽器の出し入れもツボにはまっていてとてもいい感じなのだが、個人的には終楽章に入って特に弦の躍動感が薄れるというか線が細くなるというか、全体的にも輝きがやや薄れる感があり、その点がやや残念なところ。
その点だけのようでそれが全体の印象として結構小さくなかったりもするのですが。
とはいえ、やっぱり名盤にはちがいないでしょうねぇ、これは。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ポコルナ/ワルドハンス/ブルノ国立フィル

2016-02-07 22:43:41 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…ポコルナ
指揮…ワルドハンス
演奏…ブルノ国立フィル
好み度…4(5点満点)

奔放で野性的な印象を受ける演奏といえるのではないだろうか。
ピアノもオケも結構自由に演奏しており、音もどこか激しさを秘めている。
展開も、例えば冒頭は徐々に音を大きくしていってオケとの主題、でなく、途中で一度音量を落としてからの主題だし、終楽章の出だしも他の演奏では目まぐるしく弾き通してしまうところを一音一音わかるくらいの速さで別の曲みたいだし。
ただ、奇をてらうのでなく、このピアニストの真摯な解釈であり意志が感じられるようで変な違和感はないし、かなり個性的だけど所謂ラフマニノフ的な叙情性もほのかに感じさせる。
ピアノには結構力も感じられるし、表現意欲旺盛な感もあって、どちらかといえば同じような雰囲気の多いこの曲の録音の中にあってはちょっと魅力を放っているようにも思う。
第1楽章冒頭は、和音の一音一音が余韻の中に現れてくるというか、ちょっと雰囲気を感じさせ、オケとの協奏部分もピアノが存分に存在感あって結構雰囲気ある出だしだし、終楽章出だしもこんな音あったのか、という新鮮さもあり悪くない。
第2楽章は切ないような叙情性とかというよりは凛とした美しさを感じるかな。
フィナーレをそれなりに厚いながらも何の未練もないかのようにあっさりやっているのもこの演奏らしいといえばらしいかもしれない。
この曲の録音の中では変り種かもしれないが、意思の通った共感できる変り種のように思う。
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