好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第7番 クライバー/バイエルン国立管

2016-04-17 09:39:20 | ベートーヴェン 交響曲第7番
ベートーヴェン
交響曲第7番

指揮…クライバー
演奏…バイエルン国立管
好み度…4(5点満点)

エネルギーに満ちている。
活き活きと、生命力漲る演奏とでもいおうか。
エネルギーに満ちた躍動感と疾走感に圧倒されあっけにとられているうちに終わってしまっている、というくらいの勢いである。
何かの拍子にハイな空間に飛び込んでしまったかのような、奏者も聴者も無我夢中忘我の時のような感さえ受ける。
随所で聴かれるカッコよい音の出し入れもクライバーらしいし、聴いた後に何か残るかと言えば、心地よい風(この演奏の場合は嵐かな)が去った後のように何も残さないといった感があるのも、またある意味クライバーらしい。
重厚感とかほの暗さとかとは無縁のところを、何かをたたきつけるかのような明るい力感と躍動感と疾走感を以って謳いあげる、凄まじい疾風のような演奏である。
「ベーム追悼」と銘打ったミュンヘンの国立劇場でのライブで、ベト7の名盤といえばまず筆頭に挙げられるくらいの、名盤として名高い演奏ですね。

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 マゼ―ル/ベルリンフィル

2016-04-17 09:35:42 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…マゼール
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

若きマゼールらしいメリハリと厳しさと力のこもったいい演奏だと思う。
出だしの運命の動機は結構荘厳に鳴り渡り、その後もこれと決めた楽器は力強く鳴り、シンプルに力感と推進力のある響きが展開される。
途中の動機の強奏部も堂々と鳴らし後半の高揚もなかなかのものでシンプルで堂々たる第1楽章。
第2、第3楽章もスタンダードにしっかり響かせ、ベルリンフィルの厚い響きは心地よい。
終楽章も冒頭のトランペットはじめ思い切りのよい金管など、力感と歯切れのよさを感じさせつつ力強く爽快。
随所にマゼールらしい新鮮な楽器の出し入れもあって、温もりとか古風とかとは別のほうを向いた演奏と思うが、厚いながらもシンプルな響きと厳とした推進力を感じさせつつ堂々と鳴らした、過熱しない熱演とでもいおうか、マゼールらしさと運命らしさの両立した良演と思う。

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園 ケンペ/ミュンヘンフィル

2016-04-17 09:32:42 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン
交響曲第6番「田園」

指揮…ケンペ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…3.5(5点満点)

第1楽章は少し余裕をもったテンポと適度な厚みと清清しさを併せ持った響きで美しい。
第2楽章は結構な音量で鳴っている。最初は結構新鮮だが、ずっと同じように鳴っていることもあり、小川のほとりという叙情的な情景はあまり出ていないようにも感じる。
第3楽章はやや控えめな印象。特に感謝の祭りという喜びの情景が伝わるような印象も受けなく、第4楽章は標準的といえば標準的。特に緊迫感を感じたり強い響きを感じるということはない。
終楽章も今ひとつ雰囲気がなく味気ない印象ではある。弦の響きにもホルンの響きにも艶というか奥行きというか、そういったものが感じられず、少し速めのテンポでさらりと過ぎてしまうような印象を受ける。
第1楽章はいい感じなのだが、他はちょっと今ひとつ感を個人的には感じる。