チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」
指揮…フランク
演奏…スウェーデン放送響
好み度…5(5点満点)
何とも特異な悲愴である。指揮者にはこの曲によほどの思い入れがあるのだろう。まずは何といってもゆっくりである。
約55分。かなりゆっくりだけど、緊張感なく遅かったりするのではなく、歌も説得力ある表現もあって納得の遅さであり、第1楽章で21分超、終楽章で14分超あるが、先に進まないもどかしさみたいなものは感じない。そして基本的には美しい。十分な歌があって美しいし、その表現は濃い。
第1楽章展開部のクライマックス等も時間的にはかなり長いが、その密度の濃い表現に気がつくとどっぷり引き込まれている。
かなり新鮮だけど、今までにない絶望感が迫るような情感も感じられ、この曲はこれくらい濃く聴かせてくれていい、と思う。
第3楽章は威勢のよいマーチという明るさは敢えて伴わないようであるが、管弦のバランスも力感も程よく、リタルダンドも聴かせる等、退屈感もない。
終楽章、出だしの弦は清楚でどこかもの悲しげな響きである。中間の弦の調べも、ゆっくり、静かに、丁寧に、情を込めて染み入るような美しさである。
終盤は、大きく口を開けた暗く深い淵を覗かされているような、そんな怖さを連想させるくらいの表現である。
長いけど全然退屈しない、美しくも密度の濃い、普通じゃないけど説得力のある、やっぱりこの曲はしっかり情が込められて初めて生きる、と改めて感じさせる、名盤とは言われないかもしれないけれど、秀演と思う。
交響曲第6番「悲愴」
指揮…フランク
演奏…スウェーデン放送響
好み度…5(5点満点)
何とも特異な悲愴である。指揮者にはこの曲によほどの思い入れがあるのだろう。まずは何といってもゆっくりである。
約55分。かなりゆっくりだけど、緊張感なく遅かったりするのではなく、歌も説得力ある表現もあって納得の遅さであり、第1楽章で21分超、終楽章で14分超あるが、先に進まないもどかしさみたいなものは感じない。そして基本的には美しい。十分な歌があって美しいし、その表現は濃い。
第1楽章展開部のクライマックス等も時間的にはかなり長いが、その密度の濃い表現に気がつくとどっぷり引き込まれている。
かなり新鮮だけど、今までにない絶望感が迫るような情感も感じられ、この曲はこれくらい濃く聴かせてくれていい、と思う。
第3楽章は威勢のよいマーチという明るさは敢えて伴わないようであるが、管弦のバランスも力感も程よく、リタルダンドも聴かせる等、退屈感もない。
終楽章、出だしの弦は清楚でどこかもの悲しげな響きである。中間の弦の調べも、ゆっくり、静かに、丁寧に、情を込めて染み入るような美しさである。
終盤は、大きく口を開けた暗く深い淵を覗かされているような、そんな怖さを連想させるくらいの表現である。
長いけど全然退屈しない、美しくも密度の濃い、普通じゃないけど説得力のある、やっぱりこの曲はしっかり情が込められて初めて生きる、と改めて感じさせる、名盤とは言われないかもしれないけれど、秀演と思う。