好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 ラトル/ベルリンフィル

2016-12-17 09:16:48 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ラトル
演奏…ベルリンフィル
好み度…5(5点満点)

両端楽章での凄みと輝きを同居させたような分厚く豊かで重量感たっぷりの響き、第2楽章での深みを加えた美しさ、全編通してその完成度と一音一音の質の高さと調和の絶妙さ、こういう演奏を聴いていると、やっぱりベルリンフィルはこの曲は自分らが最高峰という自信と自負と持っているような気がするし、オーソドックスで堂々たる演奏は典型の中の極みを聴くかのような感がある。
どの楽章をとっても自信に満ちた緊張感と充実感が薄らぐことはなく、所謂一流どころが満を持して放つとはこういうことか、と恐れ入る感もある。
劇的なフィナーレだったり、推進力だったり、響きの重さだったり、そういった側面から秀でた演奏は他にもあるだろうけど、そういった特定の視点からの良し悪しは凌駕して、ある意味究極のブラ1、という感じの一級の名盤でしょう。ちょっと大き目の音量で聴くとよりその感を感じられるように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2016-12-17 09:14:13 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4.5(5点満点)

ゆっくりである。
ただ、美しく俗から離れたかのような雰囲気もつくって、長い分退屈するといったようなものではない。
情感豊かなようでどこか厳しく徹底的に客観的なようなところもチェリらしい。
冒頭から終始ゆっくりのテンポで丁寧に音がつくられていて、厚い響きではないのだが、そこかしこで「ここでこの楽器か」と強調される楽器も効果的に特有の雰囲気をつくり、退屈どころか魅き込まれる思いすら感じる。第2主題では、弦の響きとタメをもった歌には安らぎを覚えるような美しさがあり、展開部以降も確かに遅いが、そのこととトランペットの鋭い響きなどが相まって、激しさとは違って徐々に感情の頂点へ否応なしに向かわされるような、多分チェリにしか醸しだせないような雰囲気がつくられている(個人的にはクライマックスでは情感を以ってかぶさる高弦を聴きたいところだが、ここも痛烈なトランペットがかぶさる。ただ、これだけ意志が感じられればこれもありかと思う)。
第3楽章も遅く軽快間はあまりないが特に悪いものでもない。
終楽章もゆっくりと、どちらかといえば静か目で、強い情感は感じられないが、中盤までは響きに深みとはちがう艶とほんのりもの悲しいような美しさが感じられ、終盤の高揚部では悲愴感漂うような重みも感じられる。
前後の拍手も入れてとはいえ61分の表示だからかなりゆっくりではあるが、ただゆっくりなだけではない、チェリなりの必然が感じられる、重い悲愴感というよりは、情を超えた美しさを漂わせるような、チェリならではの悲愴のように思う。
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チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ギレリス/メータ/ニューヨークフィル

2016-12-17 09:11:34 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…ギレリス
指揮…メータ
演奏…ニューヨークフィル
好み度…4.5(5点満点)

ピアノもオケも何とも豪快爽快、ストレートな熱気が印象的な名演でしょう。
ギレリスのピアノは力強く激しくも尖らず濁らない強打、力強さと澄んだ音色を併せ持った音、叙情部でのおおらかな優しい音…、豪快で奔放、繊細とおおらかさ、さすがの感を受ける堂々たる演奏。いろいろな面が顔を出していくのはライブならでの功もあるのだろうか。強打も叙情部もさりげないようで情が込められているようにも感じる。
オケもこれに応えて十分に熱い。曲の終了を待てずに起こる熱い拍手にも頷ける感もある。
ストレートな表現と熱気と爽快感にあふれたこの曲を代表する名演の1つと思う。
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