ドヴォルザーク
交響曲第9番「新世界より」
指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…5(5点満点)
こんなにも深遠で大曲感を感じさせる新世界が他にあるだろうか。
晩年のチェリのスローテンポがこれほど功を奏した演奏もないだろうとも思う。
親しみやすいポピュラーソングはここになく、深く壮大で、旋律美に頼らない練られたオーケストレーションを浮かび上がらせた、厚く深い新世界が展開されている。
第1楽章出だしのチェロからして深遠な響きだが、普段何気なく響いて過ぎていく強奏箇所も十分な山場として展開し音の重なりは新鮮であり響きは雄大である。
第2楽章は出だしから木管も弦も、その重なりも深く美しく幽玄であり、弦楽器が郷愁を静かに奏でる箇所での低弦の響きも新鮮で印象的。この低弦の響かせ方は気に入っているのだが、今までチェリ以外では聴かれない。
第3楽章もゆっくりめではあるが、間延びしたり力感に欠くといったことはなく、弦と金管が一体となった充実の響きである。
終楽章も厚い響きは変わらず、音の重ね方も効果的で、また、金管の咆哮でぐっとテンポを落とすあたりも旋律の楽章間の統一感と郷愁を感じ印象深い。ラストもしっかり謳いあげ、まぁチェリの演奏はいろいろあるけれど、この演奏は新世界がこれほど深く大きな曲であったかとイメージを変える大名演でしょう。
交響曲第9番「新世界より」
指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…5(5点満点)
こんなにも深遠で大曲感を感じさせる新世界が他にあるだろうか。
晩年のチェリのスローテンポがこれほど功を奏した演奏もないだろうとも思う。
親しみやすいポピュラーソングはここになく、深く壮大で、旋律美に頼らない練られたオーケストレーションを浮かび上がらせた、厚く深い新世界が展開されている。
第1楽章出だしのチェロからして深遠な響きだが、普段何気なく響いて過ぎていく強奏箇所も十分な山場として展開し音の重なりは新鮮であり響きは雄大である。
第2楽章は出だしから木管も弦も、その重なりも深く美しく幽玄であり、弦楽器が郷愁を静かに奏でる箇所での低弦の響きも新鮮で印象的。この低弦の響かせ方は気に入っているのだが、今までチェリ以外では聴かれない。
第3楽章もゆっくりめではあるが、間延びしたり力感に欠くといったことはなく、弦と金管が一体となった充実の響きである。
終楽章も厚い響きは変わらず、音の重ね方も効果的で、また、金管の咆哮でぐっとテンポを落とすあたりも旋律の楽章間の統一感と郷愁を感じ印象深い。ラストもしっかり謳いあげ、まぁチェリの演奏はいろいろあるけれど、この演奏は新世界がこれほど深く大きな曲であったかとイメージを変える大名演でしょう。