好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第4番 シャイー/ゲヴァントハウス管

2021-02-21 11:19:55 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番

指揮…シャイー 
演奏…ゲヴァントハウス管 
好み度…4(5点満点)

第1・第2楽章の印象として、耽美とか幽玄と感傷といった美しさではないが、むしろそういったものに浸りきらずに機能的に艶のある美音をしっかり鳴らしながら豊かなアンサンブルをしっかり統率して響かせてなかなかに美しい。
録音も優秀で、ヴァイオリンも木管も低弦も艶のある響きでしっかり聴こえて、聴きだしたら途中でやめがたい美しさを感じさせる。
第3・第4楽章はテンポも速めに結構力強さを感じさせるものとなっている。ちょっと力強くなりすぎて何かしらの雰囲気が薄らいでしまったような感じもあるが、緊張感はあって各楽器の分離もよいので厚ぼったい印象は受けない。
前半2楽章の機能的な中に聴かれる艶と深みも効いたアンサンブルから受ける美しさは秀逸。 
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 小澤/ニューフィルハーモニア管/アンブロジアンシンガーズ 他

2021-02-21 11:16:57 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…小澤 
演奏…ニューフィルハーモニア管 
合唱…アンブロジアンシンガーズ 他 
好み度…4(5点満点)

殊更に重みや敬虔さが強調されることもないが、第1楽章から輪郭の明瞭な響きは若々しい覇気を感じさせて心地よい。
第2楽章も緊張感漂うがその緊張感は硬いものではなく瑞々しさを感じるような性質のものであり、溌剌とした雰囲気と、のびやかな歌心なんかも感じる。
第3楽章は結構明瞭に奏され、明るくのびやかで、それでいてどこか明るい郷愁を誘うような美しさ。
終楽章は、残念ながら独唱、合唱とも声楽が遠い。ここまで思いの他よかったし、独唱も合唱も悪くないだけに、これは結構惜しまれる。
演奏としては、重厚というよりはむしろ力感と緊張感の中に小気味よい思い切りのよさと色彩感を感じるような演奏であり、合唱も多分結構広がりも力強い美しさもあったのだろうが、録音の関係と思うがこの曲を聴くにあたって合唱が遠いのはやはり残念。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ヤンソンス/バイエルン放送響

2021-02-21 11:12:37 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…ヤンソンス
演奏…バイエルン放送響ヤンソンス 
好み度…4.5(5点満点)

オスロ盤との比較で言うと、オスロ盤が悲愴感を感じさせない、瑞々しさを感じるほどに美しくよく響く演奏であったのと比べると、表現と響きに重みと深みが増している感がある。例えば第1楽章の第2主題はどちらが「美しい」かと言われればオスロ盤かもしれないが、全体を覆うようになった重みと、重みを伴った情感、ときおり聴かせる深みを帯びた美しさではこの盤が上といったところ。完成度はどちらも高い。
第1楽章展開部途中でのティンパニによるアクセット付けやテンポの緩急などは基本的にあまり変わっていない。第2楽章でヴァイオリンが踊り出すように出てくるところなんかも変わっていないが、第3楽章の2度めのマーチ風の前のシンバルはオスロ盤では推進力を加速させる小気味よいうまい処理があったがそれが所謂普通になっていてその点だけはちょっと残念。終楽章は重みと深みの増したバイエルン盤がいい。
この演奏ではバイエルンの響きは清らかさや明るさより深みを印象付ける響きで、ヤンソンスなので情がむき出し、ということはないが、重さと美しさと情のバランスのとれた聴き応えのある演奏のように思う。
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